【崖の上のポニョ】ポニョって何者?正体を考察！【魚の子】

当記事では『崖の上のポニョ』のヒロイン・ポニョについて解説します。

海からやってきた女の子という唯一無二のキャラクターは、多くのグッズにもなっている人気キャラクターです。

映画を見ているだけではわからない裏話も紹介しますので、参考になれば嬉しいです。

当記事は結末等のネタバレを含みますのでご注意ください。

ポニョの基本情報

本名	ポニョ（ブリュンヒルデ）
年齢	5歳
声優	奈良柚莉愛
一言プロフィール	宗介の元にやってきた魚の女の子

『崖の上のポニョ』のヒロイン・ポニョは魚の子という唯一無二のキャラクターです。

まずは以下の観点でポニョの基本情報について紹介します。

• ポニョッとした魚の子
• 一途で頑固な女の子
• 声優は子役の奈良柚莉愛さん

順番にご覧ください。

ポニョッとした魚の子

ポニョの本名はブリュンヒルデです。

海の上にあがってきたポニョは5歳の男の子・宗介と出会い、「ポニョ」と名付けられました。

宗介「リサ！この子はポニョっていうんだよ！・・ぽにょっとしてるし、魔法が使えるもん！」

魚の子ではありますが、魔法の力で姿を変えることが出来ます。

物語のラストでは完全な人間の女の子となりました。

一途で頑固な女の子

ポニョの性格は非常に一途です。そして、かなりの頑固者でもあります。

• 宗介を一目見てから宗介が大好き
• フジモトに海に連れ戻されても、脱出して宗介を目指す
• 町が海に沈んでいても、お構いなし

宗介しか見えていないあまり、大津波を起こし、宗介の町は海に沈んでしまいました。

一見、かなり自分勝手ではありますが、5歳の女の子と考えれば自然な態度かもしれません。

周りが見えないほどまっすぐに宗介に集中しているということですね。

まるで『千と千尋の神隠し』のカオナシように、欲望のままにまっすぐですね（笑）

声優は子役の奈良柚莉愛さん

ポニョの声優は子役として活動していた奈良柚莉愛さんです。

『崖の上のポニョ』公開当時は8歳でした。

演じる時、宗介が大好きっていう気持ちをいつも持つようにしていました。

崖の上のポニョ　映画パンフレットより

その後はアイドル活動等を経て、2023年現在は神月 柚莉愛（こうづき ゆりあ）という名前で松竹芸能に所属しています。

なお、ポニョの声優オーディションには主題歌を歌った大橋のぞみさんも参加していました。

大橋のぞみさんはポニョの声優としては落選してしまったものの、見事主題歌に抜擢されたのです。

ポニョの正体を考察

魚の子という不思議な設定のポニョですが、その正体が気になる所ではないでしょうか。

ここからは、物語の内容やジブリ公式書籍の内容をもとに、以下の観点で考察します。

• 金魚？半魚人？女の子？
• ワルキューレ（死神）？

順番にご覧ください。

金魚？半魚人？女の子？

ポニョは魔法の力で半魚人や人間の女の子に姿を変えますが、それはあくまでも魔法の力であって、本来は魚です。

ただ正直、どの姿も魚には見えません（笑）（↓魚・・・？笑）

実際にポニョは何者なのでしょうか。

登場人物のリアクションを見ると、ポニョは「金魚」ということになっているようです。

魚のポニョをみたリアクション

• 宗介　「金魚だ」
• リサ　「かわいいじゃない！」
• クミコ「あっ！きんぎょ！」
• よしえ「あらきれい」
• のりこ「かわいいねえ」
• トキ　「おーいやだ！人面魚じゃないか・・！」

個人的にはトキさんの反応が一番健全な気がしました（笑）

ポニョの両親の設定を踏まえても、「金魚」が生まれるとは思えません。

• 母・グランマンマーレ
  →海の女神で、正体はチョウチンアンコウ
• 父・フジモト
  →かつては人間だった魔法使い

母は海の女神（チョウチンアンコウ）、父は元人間なので、ポニョは「海と人間のハーフ」と言えます。

ちなみに金魚は淡水魚で海では生きられませんので、ポニョが「金魚」というのは違和感があります。

ポニョはグランマンマーレの血を引いています。

グランマンマーレは見た目や大きさを自在に変化させることができますが、ポニョもその才能を継いでいると考察できます。（だからこそ、半魚人や人間に姿を変えられたのです）

ポニョはたまたま「金魚のような姿」をしていただけで、その見た目には深い意味はないのでしょう。

ポニョは魔法使いの子であり、海の女神の子なのです。

適切に表現するのなら、ポニョは「海の子」と言えるかもしれませんね

ワルキューレ（死神）？

ポニョの本名はブリュンヒルデです。

実はこの「ブリュンヒルデ」は、ワーグナーの『ワルキューレ』に由来しています。

宮崎駿監督がワーグナーをBGMに『崖の上のポニョ』を制作していたことは映画パンフレットでも明かされており、影響を受けていることは明らかと言えるでしょう。

ワーグナーの『ワルキューレ』において、ブリュンヒルデは死神としての役割を担っています。

こういった背景から、ポニョの正体は死神であると考察する説も存在するのです。

ポニョに関する裏話

最後に、映画を見ているだけではわからないポニョに関する裏話を紹介します。

• モデルは「作画監督の娘」と「おもちゃの金魚」
• 「赤ちゃんのシーン」に込められた意味
• トトロに次ぐキャラクターを作る！

モデルは「作画監督の娘」と「おもちゃの金魚」

ポニョのモデルについては、作画監督の近藤勝也さんがインタビューの中で明かしています。

ポニョのモデルはうちの娘なんです。

実際、仕事で説明をする時にも宮崎さんは『ポニョ』とは言わないで、うちの娘の名前を呼ぶんですよ。

ジブリの教科書『崖の上のポニョ』より

女の子・ポニョのモデルは近藤さんの娘・ふきちゃんだったのです。

ジブリ美術館の短編アニメーション『やどさがし』の制作中に誕生したふきちゃんを、宮崎駿監督はとても可愛がっていたそうです。（ちなみに、『やどさがし』の主人公の名前はフキです笑）

このフキの様子を観察しながら、女の子としてのポニョのイメージを膨らませていったのでしょう。

なお、真っ赤な魚としてのポニョのデザインは、おもちゃの金魚がモデルとなっています

こちらは鈴木敏夫プロデューサーのインタビューにエピソードが見つかりました。

偶然目に入ったのが、むかし子どもたちがお風呂の中で遊んでいた金魚のじょうろみたいなおもちゃでした。

それをヒントに書いたところ、良いキャラクターができあがった。

ジブリの教科書『崖の上のポニョ』より

鈴木敏夫プロデューサーが実際におもちゃを見せてくれたわけではありませんが、発言をヒントに探すと、こんな感じ↓でしょうか（笑）

ちなみに、広島県鞆の浦のとあるお店で飼われていた金魚がポニョのモデルではないかと噂されたこともありました。

らんちゅうという品種の金魚で、たしかにポニョに似ています。（以下の画像はフリー素材を引用したもので、鞆の浦の金魚とは別のらんちゅうです）

鞆の浦は『崖の上のポニョ』制作にあたって大いに参考にされた場所ですので、信憑性の高い噂と思われていましたが、根拠はなくあくまでも噂話です。

「赤ちゃんのシーン」に込められた意味

物語の終盤、ポニョと赤ちゃんのふれあいが描かれています。

このシーンは実はポニョにとって重要なシーンであることを宮崎駿監督が明かしています。

ここはどうしても必要なシーンでした。

あれはポニョがその後に、人間としてちゃんと生活していけるという担保なんです。

あの時彼女は赤ん坊という、自分以外の存在に思いやる気持ちを持てた。

ジブリの教科書『崖の上のポニョ』より

自分の欲望が最優先で、自己中心的ともいえたポニョが初めて他人を思いやったシーンです。

ポニョも少しずつ人間として成長していくことが予感できますね。

トトロに次ぐキャラクターを作る！

ポニョといえば、ジブリの中でも多くのグッズが登場している人気キャラクターです。

ジブリのキャラクターといえば「トトロ」ですが、実は宮崎駿監督は以下の目標を宣言していました。（鈴木敏夫プロデューサーのインタビューより）

次に宮さんが言い出したのが、「トトロを上回るキャラクターを作りたい」ということでした。

ジブリの教科書『崖の上のポニョ』より

これは『崖の上のポニョ』の制作着手時の発言です。

トトロの存在が大きすぎるため、超えたとはなかなか言えませんが、しっかりと人気キャラクターを作るところはさすがですね。