当記事では、『君たちはどう生きるか』で起こる出来事を時系列で整理します。
過去のストーリーとして語られた出来事も年表形式で整理しますので、参考になれば嬉しいです。
以下の記事では、『君たちはどう生きるか』のストーリーを徹底解説しています。
なかなかボリュームの多い記事ですが、この記事で『君たちはどう生きるか』の理解が深まれば嬉しいです。
当記事はネタバレを含みます。
- スタジオジブリから徒歩圏内の小金井市在住のジブリオタク
- 好きな場所は三鷹の森ジブリ美術館
- 最も好きな作品は「風の谷のナウシカ」
『君たちはどう生きるか』の時系列年表
『君たちはどう生きるか』の出来事を時系列でまとめたものは以下のとおりです。
映画内のセリフや設定資料をもとに、一部仮定をおきながら作成しております。
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画像が小さく見にくい方はこちら(html形式で見る)
時期 | 出来事 | 主要キャラ年齢 | |||
80年前 | 1864年 | 謎の塔が空から到来 | 眞人 | ヒサコ | キリコ |
60年前 | 1884年 | あいこ屋敷に奉公開始 | 15歳 | ||
50年前 | 1894年 | 大叔父が森に埋もれた塔を発見 | 25歳 | ||
1895年 | 大叔父失踪 | 26歳 | |||
33年前 | 1911年 | ヒサコ誕生 | 0歳 | 42歳 | |
22年前 | 1922年 | ヒサコ失踪 | 11歳 | 53歳 | |
1923年 | ヒサコ・キリコ帰還(559番の扉) | 12歳 | 54歳 | ||
11年前 | 1933年 | 眞人誕生 | 0歳 | 22歳 | 64歳 |
1943年 | ヒサコが火事で亡くなる | 10歳 | 32歳 | 74歳 | |
1944年 | 『君たちはどう生きるか』の舞台(132番の扉) | 11歳 | ー | 75歳 |
以下では、それぞれの時期の根拠等を解説します。
『君たちはどう生きるか』の出来事の時系列を解説
ポイントとなる出来事について、より詳細に時期を解説します。
謎の塔が空から落ちて来た時期
青鷺屋敷に謎の塔が降ってきたエピソードは、物語中盤でばあやのあいこから語られます。
あいこ「ご維新のちょっと前、空からおちてきたのでございますよ」
ご維新とは明治維新のことです。
明治維新は1868年からとされていますので、塔が落ちてきたのは1860年代中盤~終盤ということになります。
鷺屋敷に仕えて60年になるというあいこが、落ちてきたエピソードは「~だそうです」と語っています。
あいこですら、その場面は目撃しておらず、鷺屋敷にはいなかったということですね。
あいこ「ガラガラ ドーーーーン ものすごい地響きだったそうです」
大叔父が失踪した時期
大叔父が失踪した時期は、塔が落ちてきてから30年ほど後の出来事です。
あいこ「30年もすると森が戻ってきてすっかり埋もれちゃいました。それを大叔父さまが見つけたのでございます」
1890年代の後半ですね。
大叔父はここから50年以上の期間において、異世界にとどまっていたということになります。
ヒサコが異世界に迷い込んだ時期
ヒサコが異世界に迷い込んだ時期、ヒミが異世界にやってきた時期については明らかになっていません。
異世界には1年ほど滞在していたことだけが明らかになっています。
いずみ「1年もたって元気に戻ってきたんです。それも出た時のまんまのお姿で、なんにもおぼえてなくて、ニコニコされとったが…」
とはいえ、異世界のヒミの背丈や態度を見ていると、眞人と同年代と考えて良いでしょう。
以下のように仮定すると、ヒミが異世界にやってきたのは1922年頃ということになります。
- ヒサコは眞人と同じく11歳の時に異世界に迷い込んだと仮定
- ヒサコは眞人を22歳で産んでいると仮定(当時のおおよその第1子出産年齢)
浮上する謎…キリコの年齢
一部仮定をおいてはいるものの、おおよその時系列はご理解いただけたのではないでしょうか。
こうして並べてみると、キリコの年齢に違和感を感じます。
『君たちはどう生きるか』のラストでキリコはヒミと一緒に屋敷に帰りますが、この時点で年齢は50代のはずなのです。
異世界のキリコは20代、高く見積もっても30代くらいにしか見えないので、年齢の辻褄があいません。
キリコが異世界にやってきた容姿をキープしているなら、むしろ大叔父が迷い込んだ時代の方が年齢は一致するのです。
実はキリコは、大叔父と一緒に異世界にやってきたのかもしれませんね。
キリコの設定については以下の記事で詳細に考察していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
『君たちはどう生きるか』の記事執筆における参考書籍
まつぼくらぶでは『君たちはどう生きるか』の記事を執筆するにあたり、主に以下の書籍を参考にしています。
- スタジオジブリ絵コンテ全集23 君たちはどう生きるか(徳間書店)
- ジ・アート・オブ 君たちはどう生きるか(徳間書店)
- 君たちはどう生きるか 映画 ガイドブック(東宝)
- スタジオジブリ物語(集英社新書)
- SWITCH Vol.41 No.9 特集 ジブリをめぐる冒険(SWITCH PUBLISHING)
- 失われたものたちの本(創元推理文庫)
- スタジオジブリ絵コンテ全集23 君たちはどう生きるか
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『君たちはどう生きるか』の設計図とも言える絵コンテです。
さりげない宮崎駿監督の補足書きが、考察の重要なヒントとなります。
ポチップ - ジ・アート・オブ 君たちはどう生きるか
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イメージボードやアフレコ台本等、制作時の資料が多数掲載されています。
スタッフのインタビューも掲載されています。
ポチップ - 君たちはどう生きるか 映画 ガイドブック
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キャストのインタビューが豊富に掲載されている貴重な資料です。
※定価(税込1,320円)で購入するならジブリ美術館オンラインショップがおすすめです。
ポチップ - スタジオジブリ物語(集英社新書)
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鈴木敏夫プロデューサーがスタジオジブリ誕生から『君たちはどう生きるか』の制作までを振り返ります。
『君たちはどう生きるか』公開前に『君たちはどう生きるか』について触れられた貴重な1冊です。
ポチップ - SWITCH 9 SEP.2023 VOL.41 NO9(SWITCH PUBLISHING)
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鈴木敏夫プロデューサーやキャスト、スタッフが『君たちはどう生きるか』を語っています。
公開された情報が少ない『君たちはどう生きるか』にとって貴重なインタビューが掲載されています。
ポチップ - 失われたものたちの本(創元推理文庫)
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『君たちはどう生きるか』の原作ともいえるファンタジー小説です。
ストーリーの骨子に共通点が多く、『君たちはどう生きるか』を読み取るうえでも参考になります。
なお、明確には「原作にはしていない」と語られており、クレジットはされていません。
ポチップ
なお、作品の画像はスタジオジブリ公式サイトから無償提供されている場面写真を使用しております。