『コロの大さんぽ』は、ジブリ美術館で上映される短編アニメーションです。
ジブリ美術館立ち上げの際に作られた3作品のうちのひとつで、ジブリ美術館の代表的な作品です。
当記事では、『コロの大さんぽ』について内容や実際に見た感想、制作秘話について紹介します。
- スタジオジブリから徒歩圏内の小金井市在住のジブリオタク
- 好きな場所は三鷹の森ジブリ美術館
- 最も好きな作品は「風の谷のナウシカ」
当記事はネタバレを含みますのでご注意ください。
『コロの大さんぽ』のあらすじと見どころ
『コロの大さんぽ』のあらすじは、ジブリ美術館のホームページ上では以下のように記載されています。
東京郊外の住宅街をモデルにした仔犬のコロの冒険物語。色鉛筆で描かれた背景画が印象的。
コロは、学校へ出かけたサワ子を追いかけて、戸締りがされていなかった扉から外へ出てしまいます。
あちこちを走り回っていろいろな人に出会うコロ。一方帰宅したサワ子は、コロがいなくなっていることに気がつき、一生懸命探すのですが…。
ジブリ美術館ホームページより引用
公開は2002年で、ジブリ美術館の立ち上げとともに作られた作品です。
『コロの大さんぽ』の基本情報
原作・脚本・監督 | 宮崎駿 |
公開年 | 2002年 |
上映時間 | 約15分 |
以下、『コロの大さんぽ』の魅力についてネタバレを交えながら紹介します。
迷子のコロのドキドキハラハラ大冒険
『コロの大さんぽ』の主人公は仔犬のコロです。
※以下はジブリ美術館で息子(当時2歳)が購入したコロのぬいぐるみ
「大さんぽ」と題されていますが、実際は迷子です(笑)
コロ本人に迷子の自覚はなさそうですが、コロが自由に町中を駆け回るストーリーです。
自転車にひかれそうになったり、時には踏切に飛び出しそうになったり、ハラハラする場面も多いです。
何人もの人々とふれあい、助けられながら、最後は飼い主のサワ子と出会ってハッピーエンドです。
絵本のような独特の背景に要注目
『コロの大さんぽ』の背景は、アニメーションでは珍しく色鉛筆で描かれています。
そのためどこか柔らかく、優しい雰囲気が感じられる背景となっています。
この色鉛筆の背景は、絵本『はじめてのおつかい』のイラストを担当した林明子さんの画風を参考にしています。
『コロの大さんぽ』の美術監督の吉田昇さんは、パンフレットの中で以下のように語っています。
「はじめてのおつかい」という絵本がありまして、その絵を描かれた林明子さんの画風を取り入れようというところからスタートしました。それは色鉛筆を主に使った描き方でした。普通、アニメーションの背景はポスターカラーで描いているんです。だから色鉛筆という画材を使うのははじめてだったので、最初は塗り方からスタッフと一緒に練習したりしました。
『コロの大さんぽ』パンフレットより引用
『コロの大さんぽ』の制作秘話
『コロの大さんぽ』のパンフレットから抜粋して、制作秘話を紹介します。
舞台はスタジオジブリの位置する小金井市
『コロの大さんぽ』の舞台は東京都小金井市です。
小金井市といえばスタジオジブリが位置することで有名です
当サイト管理人が住んでいる町でもあります(笑)
宮崎駿監督が実在する日本の街をそのまま舞台にすることは珍しく、その点では貴重な作品です。
『コロの大さんぽ』のパンフレットには「コロが大さんぽした場所」の地図が掲載されていますので、聖地巡りも可能です。
小金井市は近年再開発が進み、現在は『コロの大さんぽ』の風景とは大きく変わっています。
特に中央線の高架化が進んだことで駅前のロータリーは様変わりし、踏切も無くなっています。
ジブリ美術館の初代3作品は同時並行で作られた
ジブリ美術館の短編映画は2022年現在、10作品ですが、オープン当時は3作品でした。
その3作品が『くじらとり』『めいとこねこバス』『コロの大さんぽ』です。
『コロの大さんぽ』の他、2作品の短編映画も同時進行で作っていくため、宮崎監督の話の後、作品ごとに作業がしやすいように大がかりな席替えが行われた。今まで1本の作品を全員で作ってきたジブリにとって、3作同時進行は初めてのことだった。
『コロの大さんぽ』パンフレットより引用
結果的にスケジュール延期はあったようですが、3作同時進行をやり遂げたスタジオジブリはさすがですね。
ちなみにこの3作全て監督は宮崎駿監督です。(すさまじい作業量です・・)
コロの声は本物の仔犬の鳴き声
『コロの大さんぽ』ではコロの鳴き声が可愛いのも大きな特徴です。
スタッフロールを見ると、コロの声優は「ゆきの仔犬たち」となっています。
コロの声優は、本物の仔犬なのです。
ジブリスタッフの実家にいる「ゆき」という犬が、『コロの大さんぽ』制作中に仔犬を産んだため、この仔犬たちが声優として採用されました。
思い通りに動いてくれない仔犬たちに悪戦苦闘した様子も、『コロの大さんぽ』のパンフレットの中で紹介されています。
『コロの大さんぽ』を実際に見た感想
「大さんぽ」と題されていますが、内容は仔犬の迷子です。
迷子のコロが様々な人に出会いながら、一生懸命に街をかけていく様子が描かれています。
俯瞰的に見ると単なる迷子ですが、コロにとっては新鮮で大変で面白い「大冒険」なのだと感じました(迷子の自覚も無いのかも・・?)
マイペースであちこち歩き回るコロの動きや鳴き声はとにかく可愛いです。
幼稚園に入る前の小さな子連れで見た作品ですが、子どもウケ抜群の作品でした。
【どこで見れる?】『コロの大さんぽ』が見れるのはジブリ美術館だけ
『コロの大さんぽ』を見ることができるのは、三鷹の森ジブリ美術館だけです。
3月の土星座上映作品は、『コロの大さんぽ』です。
— 三鷹の森ジブリ美術館 (@GhibliML) March 1, 2022
あちこち歩き回って、いろいろな人に出会うコロ。。明日からコロの鳴き声をまねする声で、映画館の出口は賑やかになりそうです。 pic.twitter.com/FFwgf7iBe7
動画配信も無ければ、DVDも販売されていません。
また、ジブリ美術館でも常に見れるわけではありません。
ジブリ美術館の小さな映画館「土星座」では、10種類の短編アニメーションが定期的に入れ替えで上映されています。
上映スケジュールを確認したうえで、ジブリ美術館のチケットを確保する必要があるのです。
上映スケジュールや作品の一覧等、土星座の詳細は以下の記事で詳細にまとめていますので、ぜひ合わせてご覧ください。