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【崖の上のポニョ】宗介のお母さん・リサの設定【なぜ名前で呼ぶ?】

崖の上のポニョ_ リサ

当記事では『崖の上のポニョ』に登場するリサについて解説します。

リサはガサツな一面もある、25歳の若いお母さんです。

映画を見ているだけではわからない裏話も紹介しますので、参考になれば嬉しいです。

以下の記事では『崖の上のポニョ』のストーリーを徹底解説しています。

なかなかボリュームの多い記事ですが、この記事でポニョの理解が深まれば嬉しいです。

筆者のプロフィール
  • スタジオジブリから徒歩圏内の小金井市在住のジブリオタク
  • 好きな場所は三鷹の森ジブリ美術館
  • 最も好きな作品は「風の谷のナウシカ」

当記事は結末等のネタバレを含みますのでご注意ください。

目次

『崖の上のポニョ』リサの基本情報

崖の上のポニョ-スタジオジブリ 場面写真より
本名リサ
年齢25歳
声優山口智子
一言プロフィールガサツな一面もあるが優しい宗介の母

リサは『崖の上のポニョ』の主人公・宗介のお母さんです。

ここでは、以下の観点でリサの特徴を紹介します。

  • 明るくサバサバした「現代のお母さん」
  • 強い責任感を持つ介護士さん
  • 声優は女優の山口智子さん

明るくサバサバしたお母さん

リサは明るくサバサバした性格ですが、ジブリの歴代お母さんと比べても異色です。

リサの特徴的な描写

  • 宗介と車で朝食取ってしまう
  • わき見運転、急ブレーキ多発の荒い運転
  • 夫が帰宅しないと知って息子の部屋で不貞寝する
  • 5歳の息子に慰められる
  • やけ酒でビールをグビグビ

これだけ見ると、正直だらしなくてダメな母親にも思えてしまいます。

『となりのトトロ』のサツキとメイのお母さん等と比較しても、全く違った「お母さん像」ですよね。

とはいえ、リサはリサで、嵐の中でポニョと宗介を冷静に落ち着かせるなど、魅力的なお母さんです。

強い責任感を持つ介護士さん

崖の上のポニョ-スタジオジブリ 場面写真より

リサはひまわり園(デイケアサービス)で働く介護士さんです。

注目すべきは、嵐の中、デイケアセンターの様子を見に行く場面です。

幼い宗介とポニョを家に残してまで、職場の様子を見に行く責任感には驚かされますね。

声優は女優の山口智子さん

リサの声優は女優の山口智子さんです。

『ロングバケーション』のヒロインとして木村拓哉さんと共演するなど、売れっ子女優です。

山口智子さんをリサ役に抜擢した理由を鈴木敏夫プロデューサーは、「普通の芝居ができるから」と語っています。

みんなどこか思い詰めた感じでしゃべるんですね。そして一言しゃべったあとに必ず息を吐く。

ただ、その中でひとりだけ、まったく違うしゃべり方をする人がいた。

宮さんと僕が同時に「この人だ!」と言ったのが山口智子さんでした。いい意味で「普通の芝居」ができる。

ジブリの教科書 崖の上のポニョより引用

この「普通の芝居」があってこその、リサの「サバサバ感」なのかもしれません。

なお、山口智子さんは『崖の上のポニョ』出演をきっかけにジブリとの仲を深め、その後は頻繁に鈴木敏夫プロデューサーのラジオにも出演しています。

宗介の母・リサに関する裏話

ここからは映画を見ているだけではわからない、リサの裏話を紹介します。

  • リサは「剣と魔法もののヒロイン」
  • リサはお母さんではなく「若い女性」
  • リサカーの車種はミニカトッポ?

リサは「剣と魔法もののヒロイン」

リサは「主人公のお母さん」という立場ですが、アニメにありがちな「脇役のお母さん」ではありません。

物語の中でも重要な役割を果たし、宗介やポニョを導いてくれます。

このリサについて、宮崎駿監督は絵コンテで以下のようなコメントを残しています。

「世が世なら、リサは剣と魔法もののヒロインです」

リサ ヒロイン絵コンテ
崖の上のポニョ絵コンテより

たしかにリサは、歴代ジブリのお母さんと比較しても異色です。

ひとりのキャラクターとして、しっかりと個性が際立っています。

町が沈むという大きなトラブルの中でも、パニックになることなく、自分の役割をしっかりと果たします。

ナウシカやサツキ、シータのように、歴代のヒロインに近いキャラクターとも言えますよね。

宮崎駿監督も、リサを「ヒロイン」として描いているのです。

「世が世なら、リサは剣と魔法もののヒロインです」

だからこそ、このようなコメントをあえて残したのでしょう。

リサはお母さんではなく「若い女性」

宮崎駿監督はリサについて、「お母さんではなく若い女性だ」と明言しています。

いわゆる子どもを優しく包み込むような、「絶対的な存在」ではないと言うのです。

彼女を自分がどう生きるのかも含めて、親子関係というものを築く途上にいる人として出したかったからなんです。

つまり僕の周辺にいる今の母親たちは、いわゆるお母さんではなくて若い女性ですよ。お母さんとは、子どもを守ってくれる絶対的な存在です。でも今の母親は、たまたま子供がいる若い女性だと思うんです。

ジブリの教科書 崖の上のポニョより引用

宮崎駿監督いわく、リサは「発展途上のお母さん」だというのです。

「絶対的な存在」というのは、おそらく『となりのトトロ』のサツキとメイのお母さんのようなキャラクターを指しているのでしょう。

「リサは未熟だ」とも受け取れるこの発言ですが、宮崎駿監督は決してリサを批判したいわけではありません。

自分たちの町に不思議なことが起こっている。その全体像はわからなくても、彼女(リサ)はパニックにならずに今を乗り切ろうとする。

現代は地質学的にも激烈な時代に入ったと思いますから、そういう時にリサのような母親であって欲しい。そういう僕の願望も、彼女には込められています。

ジブリの教科書 崖の上のポニョより引用

つまり宮崎駿監督はお母さんになってもヒロインでいられるリサこそが、現代の理想の母親だと考えているのでしょう。

リサは若い女性で発展途上だからこそ、リサ自身の人生も歩んでいる魅力的なキャラクターなのです。

リサカーの車種はミニカトッポ?

崖の上のポニョ-スタジオジブリ 場面写真より

「リサカー」と呼ばれるリサの愛車は、具体的な車種は公式には明かされていません。

絵コンテやイメージボードでは「軽自動車」とだけ表現されています。

公式には車種は明らかになっていないものの、「三菱自動車のミニカトッポ説」がファンの間では有力です。

ミニカトッポ

とはいえ、スタジオジブリはあえて架空の車に仕上げた可能性があります。

ジブリ作品に登場するとPR効果が大きいため、車種を明確にすることを避けたのでしょう。

実際に、物語の中ではAT車に見える描写や、MT車に見える描写など、ジブリらしくない不整合もあるのです。

リサカーはAT車?MT車?

  • 水に沈んだ道を強引に突破するシーン
    →リサの足元にはサイドブレーキペダルが描かれている(絵コンテにも「サイドブレーキ」と記載されている)
  • 宗介が「女の子が落ちた!」と叫ぶシーン
    →リサの足元はクラッチペダルを操作しているように描かれている

これも車種を特定できないようにする、「あえて」の不整合なのかもしれません。

なお、リサカーのナンバープレートは「333」という意味深な数字です。

この数字の意図を宮崎駿監督は明らかにしていませんが、その意味を妄想するのも楽しいですね。

リサに関するストーリーの謎を解説

『崖の上のポニョ』を見ていて、以下のような疑問を感じた方もいるのではないでしょうか。

  • なぜ呼び捨てで呼ばれている?
  • 最後の説明の意味とは?
  • 「亡くなっている説」は本当か?

このようなリサに関する謎について、順番に解説します。

なぜ呼び捨てで呼ばれる?

リサは息子の宗介から、「お母さん」「ママ」ではなく、「リサ」と名前で呼ばれます。

この呼び方に違和感を感じた方も多いでしょう。

これは先ほど解説したリサが発展途上の若い女性ということが理由だと推測できます。

つまり宮崎駿監督は、「守ってくれる母親」と「守られる子供」という関係を意図的に避けたのです。

それぞれが自立した、別々の人間であることをはっきりさせるため、「お母さん」という呼び方を避けたのでしょう。

最後のセリフの意味とは?

リサとグランマンマーレが別れる際、リサのセリフを聞き取れなかったという方は多いです。

グランマンマーレ「リサ、ありがとう」
リサ「あなたも!グランマンマーレ!」

文字に起こしてみると何でもないセリフですが、お互いに感謝の気持ちを伝える場面です。

ではなぜ、リサのセリフを聞き取れない方が頻発したのでしょうか。

実は「グランマンマーレ」という名前は、物語の中では明確に紹介されていないのです。

このリサのセリフで唐突に登場したため、聞き取れない方が多かったわけですね。

「亡くなっている説」は本当か?

『崖の上のポニョ』にはリサや宗介をはじめ、「町の人が亡くなっている」という都市伝説が存在します。

都市伝説の概要

  • 物語中盤の津波で、登場人物のほとんどが亡くなっている
  • 物語後半に描かれた水没した世界や、水中世界は死後の世界である
  • ポニョの正体は死神であり、町の人々をあの世へ送っている

こうした都市伝説を踏まえて、リサも既に亡くなっていると噂されることがあるのです。

都市伝説については以下の記事で詳細に解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。

以下の記事では『崖の上のポニョ』の登場人物をまとめて紹介しています。

ぜひ、他のキャラクターについても詳しく知ってください!

『崖の上のポニョ』の記事執筆における参考書籍

まつぼくらぶでは『崖の上のポニョ』の記事を執筆するにあたり、主に以下の書籍を参考にしています。

  • ジブリの教科書15 崖の上のポニョ(文春ジブリ文庫)
  • ロマンアルバム 崖の上のポニョ(徳間書店)
  • スタジオジブリ絵コンテ全集 崖の上のポニョ(徳間書店)
  • THE ART OF Ponyo on the Cliff(徳間書店)
  • 続・風の帰る場所(ロッキング・オン)
ジブリの教科書15 崖の上のポニョ(文春ジブリ文庫)

過去のインタビュー内容等を参考、引用しています。

編集:スタジオジブリ, 編集:文春文庫
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ロマンアルバム 崖の上のポニョ(徳間書店)

インタビューや設定情報が記載された公式のムック本です。

スタジオジブリ絵コンテ全集 崖の上のポニョ(徳間書店)

『崖の上のポニョ』の制作に使用された絵コンテです。

THE ART OF Ponyo on the Cliff(徳間書店)

イメージボードやアフレコ台本等、制作時の資料が多数掲載されています。

続・風の帰る場所(ロッキング・オン)

ここでしか語られない、独自インタビューが掲載されています。

ポニョについても70ページ近くのボリュームで語られており、参考になります。

なお、作品の画像はスタジオジブリ公式サイトから無償提供されている場面写真を使用しております。

崖の上のポニョ スタジオジブリ場面写真

当記事の拡散は大歓迎です

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