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【崖の上のポニョ】ポニョの父・フジモトは何者?正体を解説【かつては人間だった】

崖の上のポニョ_ フジモト

当記事では『崖の上のポニョ』に登場するフジモトについて解説します。

フジモトは一見悪役にも見えますが、ポニョの父親という重要なキャラクターです。

映画を見ているだけではわからない裏話も紹介しますので、参考になれば嬉しいです。

以下の記事では『崖の上のポニョ』のストーリーを徹底解説しています。

なかなかボリュームの多い記事ですが、この記事でポニョの理解が深まれば嬉しいです。

筆者のプロフィール
  • スタジオジブリから徒歩圏内の小金井市在住のジブリオタク
  • 好きな場所は三鷹の森ジブリ美術館
  • 最も好きな作品は「風の谷のナウシカ」

当記事は結末等のネタバレを含みますのでご注意ください。

目次

『崖の上のポニョ』フジモトの基本情報

崖の上のポニョ-スタジオジブリ 場面写真より
本名フジモト
年齢不明(100歳以上)
声優所ジョージ
一言プロフィールかつては人間だった海の魔法使い

フジモトはポニョの父親で、ポニョからは「悪い魔法使い」と言われてしまいました。

実際は地球の危機を回避するために奮闘するなど、決して悪人ではありません。

元々は人間であるにもかかわらず、海で生きている唯一無二の不思議なキャラクターです。

ここでは、以下の観点でフジモトの特徴を紹介します。

  • 人間の滅亡を企む悪い魔法使い・・?
  • 世界のために奔走するポニョのお父さん
  • 声優は所ジョージさん

人間の滅亡を企む悪い魔法使い・・?

フジモトは人間のような見た目をしていますが、人間ではなく魔法使いです。

人間を憎むような発言を見せており、「人類滅亡」の恐ろしい野望も抱いています。

フジモト「人間に!?あんなに愚かでいまわしい生き物のどこが良いのだ!」

フジモト「いまわしい人間の時代は終わるのだ」

ポニョからは「悪い魔法使い」呼ばわりされており、一見悪役のようにも見えますよね。

ただその実態は海や地球を心から愛しているだけであり、決して悪いキャラクターではないようです。

世界のために奔走するポニョのお父さん

ポニョが生命の水を解放し、津波を引き起こしたことで、世界は危機に襲われます。

フジモトは娘のやらかした出来事を真正面から受けとめ、世界のため、娘のために奔走します。

フジモトの行動は基本的には空回りで、どっしりと構えたグランマンマーレに救われる形になるのですが、やはり憎めないキャラクターですね。

声優は所ジョージさん

フジモトの声優はタレントの所ジョージさんです。

フジモトの持つシリアスな一面と、どこか抜けたところのある性格を見事に表現しています。

実は所さんは2役をこなしており、その事実がキャスト舞台挨拶で明らかになっています。

ロマンアルバムにその様子が掲載されていましたので、紹介しておきます。

司会 実は、所さんは1人2役をこなしていたそうなんですが、気づいた方はいらっしゃいますか?

(中略)

所 フジモトが操る「オォ?」という波の、「オォ?」は私です。

ロマンアルバム 崖の上のポニョより

フジモトに関する裏話

ここからは映画を見ているだけではわからない、フジモトの裏話を紹介します。

  • モデルは作画監督の近藤勝也さん
  • 『海底二万マイル』ノーチラス号の乗組員だった
  • 海中農場(アジト)はフジモトの手作り
  • ストライプのジャケットの色が変わる理由

モデルは作画監督の近藤勝也さん

フジモトのモデルは、作画監督の近藤勝也さんであることを宮崎駿監督は公言しています。

近藤さんも自身のインタビューで以下のようなエピソードを明かしています。

宮崎さんが僕の家庭を見て、かなりインスパイアされたみたいですよ(笑)

(宮崎監督によると)僕はフジモトなんだそうです。アフレコでも、フジモトの件で指示だしする時に「近藤君はこうなんだ」なんて言っていたらしいですから、かなりモチーフになってるんですよ。

ロマンアルバム 崖の上のポニョより

見た目というよりは、その性格等を大いに参考にしたそうです。

なお、ポニョのモデルは近藤さんの娘のフキちゃんなので、宮崎駿監督は近藤家をがっつり参考にしたわけですね。

ポニョに関する詳細は以下の記事をご覧ください。

ちなみに宮崎駿監督はフジモトについて「日本のお父さんの非常に大きな部分を象徴しているようなキャラクター」と記者会見で語ったことがあります。

『続・風の帰る場所』に掲載されたインタビューでは、フジモトについて以下のように表現しました。

人類の将来とか地球環境とか、いろんなことを悩みながら、ほんとに無力なんですよね。

娘ひとりどうすることもできないでオタオタしてるっていうね。

続・風の帰る場所より

なかなか情けないキャラクターにも見えますが、『崖の上のポニョ』は女性が強くたくましく描かれている作品です。

頼もしい女性を際立たせるという意味では重要な役割を果たしており、また、「お父さん」にとっては感情移入もできる貴重なキャラクターですね。

『海底二万マイル』ノーチラス号の乗組員だった

フジモトは海で生活する魔法使いですが、かつては人間だったことを物語の中で明かしています。

フジモト「人間は海から命を奪いとるだけだ。私もかつては人間だった・・・」

ポニョはこのセリフに全く関心を示しません(というより、聞いてもいません)が、フジモトの過去については映画パンフレット等でさらに詳しく明かされています。

実はフジモトは、『海底二万マイル』に登場するネモ船長のノーチラス号の乗組員だったというのです。

『海底二万マイル』の簡単なあらすじ

謎の海洋生物による船舶攻撃に対し、海洋学者アロナックス教授が調査に乗り出す。
結果的にこの怪物は先進的な潜水艦「ノーチラス号」で、その艦長ネモによってアナロックス教授、助手のコンセイユ、居合わせた男・ネッドの3人は捕らえられる。彼らは海底での自給自足の生活と、ネモの戦争に対する憎しみを目の当たりにする。一方でネッドは自由を求め、ノーチラス号からの脱出を目指す。ネッドは援軍を呼ぶために座標を書いたメモを海に流し、後にこれが原因で軍隊がネモの基地であるバルケニア島に上陸する。ネモは自身の技術が軍事利用されることを防ぐため、島を爆破しようとするが、その最中に重傷を負う。これを見たネッドはアロナックスとコンセイユを連れて脱出し、バルケニア島とノーチラス号は爆発し沈没する。

フジモトはノーチラス号が爆発、沈没した後も海中で生き延び、そして人間であることをやめてしまったのです。

戦争を強く憎んでいたネモ船長と同じく、フジモトも戦争の愚かさを目の当たりにしてきたのでしょう。

だからこそフジモトは人間をやめて、人間を「汚らわしい生き物」と呼ぶのかもしれません。

命の水が保管されている部屋の扉には、意味深に「1907」の数字が刻まれています。

実は1907年は『海底二万マイル』が初めて映像化された年であり、海底二万マイルのエッセンスを仕込んだものと想像できます。

海中農場(アジト)はフジモトの手作り

崖の上のポニョ-スタジオジブリ 場面写真より

フジモトは海底で生活しています。

海中農場で海の浄化や・生命の水の研究を進めていたわけですが、このアジトについて以下のような裏設定が明かされました。

フジモトのアジトに関しては、彼が非常に長生きで、百年ぐらいかけて一人であの場所を岩などを削って作ったらしい、という裏設定を前もって聞いていたんです。

ジブリの教科書 崖の上のポニョより引用

これは美術監督・吉田昇さんのインタビューで明かされたものです。

こうした設定を宮崎駿監督から聞いていたため、手作り感のある質感を目指して仕上げたそうです。

フジモトは100年以上生きているということもあり、やはり現時点では人間ではないことは確定ですね。

ストライプのジャケットの色が変わる理由

フジモトは物語の前半では青のストライプのジャケットを着ています。

崖の上のポニョ-スタジオジブリ 場面写真より

これが物語の後半では、ピンクのストライプのジャケットに変わっていることに気付いたでしょうか。

実は絵コンテには「和解のためにジャケットの色をかえて来た」と記載されています。

フジモトストライプ絵コンテ
崖の上のポニョ絵コンテより

ケンカしたポニョと仲直りするため、ポニョカラーにジャケットを変更したわけですね。

フジモトなりに一生懸命にポニョに寄り添っているのでしょう。

ポニョが全く気にしていなさそうなのも、何ともフジモトらしいですね(笑)

以下の記事では『崖の上のポニョ』の登場人物をまとめて紹介しています。

ぜひ、他のキャラクターについても詳しく知ってください!

『崖の上のポニョ』の記事執筆における参考書籍

まつぼくらぶでは『崖の上のポニョ』の記事を執筆するにあたり、主に以下の書籍を参考にしています。

  • ジブリの教科書15 崖の上のポニョ(文春ジブリ文庫)
  • ロマンアルバム 崖の上のポニョ(徳間書店)
  • スタジオジブリ絵コンテ全集 崖の上のポニョ(徳間書店)
  • THE ART OF Ponyo on the Cliff(徳間書店)
  • 続・風の帰る場所(ロッキング・オン)
ジブリの教科書15 崖の上のポニョ(文春ジブリ文庫)

過去のインタビュー内容等を参考、引用しています。

編集:スタジオジブリ, 編集:文春文庫
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ロマンアルバム 崖の上のポニョ(徳間書店)

インタビューや設定情報が記載された公式のムック本です。

スタジオジブリ絵コンテ全集 崖の上のポニョ(徳間書店)

『崖の上のポニョ』の制作に使用された絵コンテです。

THE ART OF Ponyo on the Cliff(徳間書店)

イメージボードやアフレコ台本等、制作時の資料が多数掲載されています。

続・風の帰る場所(ロッキング・オン)

ここでしか語られない、独自インタビューが掲載されています。

ポニョについても70ページ近くのボリュームで語られており、参考になります。

なお、作品の画像はスタジオジブリ公式サイトから無償提供されている場面写真を使用しております。

崖の上のポニョ スタジオジブリ場面写真

当記事の拡散は大歓迎です

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