当記事では、『天空の城ラピュタ』に登場するロボット兵について解説します。
独特なルックスで、グッズも数多く発売されている人気のキャラクターです。
映画を見ているだけでは分からない裏話も紹介しますので、参考になれば嬉しいです。
以下の記事では『天空の城ラピュタ』のストーリーを徹底解説しています。
なかなかボリュームの多い記事ですが、ラピュタ好きに読んでもらえると嬉しいです。
- スタジオジブリから徒歩圏内の小金井市在住のジブリオタク
- 好きな場所は三鷹の森ジブリ美術館
- 最も好きな作品は「風の谷のナウシカ」
当記事は結末等のネタバレを含みます
『天空の城ラピュタ』のロボット兵の基本情報
『天空の城ラピュタ』には、2種類のロボット兵が登場します。
- 兵隊型ロボット兵
- 園丁型ロボット兵
ここでは、この2種類のロボット兵について、種類別に解説します。
強大な力を持つ兵隊型ロボット兵
兵隊型ロボット兵は、腕に魚の骨のようなギザギザがデザインされたタイプのロボット兵です。
このギザギザから羽が生える構造となっており、飛行能力を持っています。
顔についた目のような穴からはレーザービームを発射することができ、強力な戦闘兵器として活動します。
兵隊型ロボット兵の主なシーン
- テディス要塞(軍本部)の地下で故障した個体が保管されていた
- シータの呪文で復活したロボット兵は、1体でテディス要塞を壊滅に追い込んだ
- ラピュタに上陸したムスカの支配下で、大量のロボット兵が軍隊を襲った
たった1体で軍を壊滅状態に追い込める戦闘力は、ラピュタの恐ろしい科学力を象徴していますね。
「バルス」によって、ラピュタとともに兵隊型ロボット兵も崩壊していきました。
優しい心を持つ園丁型ロボット兵
園丁型ロボット兵は、パズーとシータがラピュタに到着してすぐに出会ったロボット兵です。
兵隊型ロボット兵とは、以下のような点でデザインが異なっています。
- 羽が生えてくるギザギザが無い
- 色が緑がかっている
明らかに兵隊型ロボット兵とは別物というわけです。
園丁型ロボットは空を飛ぶこともできなければ、ビームを発射することもできません。
園丁型ロボット兵の主なシーン
- パズーとシータの飛行機(凧)が鳥の巣をつぶさないように守った
- キツネリス等の動物を肩に乗せる等、動物と仲の良い様子を見せた
- パズーとシータにラピュタの中を案内した
兵隊型ロボット兵が強力な戦闘力を誇ったのとは対照的に、優しい心が印象的です。
パズーとシータが「バルス」を唱えた後も、この園丁型ロボット兵は庭園で生き延びている様子が描かれていました。
バルスはあくまでも、ラピュタの兵器を終わらせる呪文だったのかもしれませんね。
ロボット兵に関する裏話
ロボット兵には様々な裏話も存在します。
ここでは、映画を見ただけでは分からない、以下の裏話を紹介します。
- ラピュタには様々な「型」のロボットがいた
- ロボット兵のルーツは「巨神兵」ではなく「ラムダ」
- ロボット兵のデザインのモデルは「時計」
ぜひ順番にご覧ください。
ラピュタには様々な「型」のロボットがいた
映画『天空の城ラピュタ』には兵隊型と園丁型の2種類のロボットが登場しました。
その性質は全く異なっているものでしたが、ロマンアルバムによると、ラピュタには他にも様々なロボットが存在したそうです。
その仕事は様々で、戦闘・看護・庭園の世話等、胸のエンブレムと色などで分類された数多くの種類のロボットがいたと推理される。
ロマンアルバム 天空の城ラピュタ より引用
「看護」というキーワードが登場しています。
かつてラピュタには、看護ロボットや医療ロボットもいたのかもしれません。
「数多くの種類」のロボットと言われていますので、調理ロボット、家事ロボットもいたかもしれませんね。
パズーとシータが訪れたラピュタの街は大部分が水没していましたが、実は水の中には様々な姿のロボットが眠っていたのでしょう。
ロボット兵のルーツは「巨神兵」ではなく「ラムダ」
ロボット兵を、『風の谷のナウシカ』に登場した「巨神兵」と混同している方はしばしば見かけます。
たしかに、どちらも強力なレーザーで周囲を焼き払う様子はよく似ています。
ただし、これは全くの別物です。
ロボット兵はむしろ、TVアニメ版「ルパン三世」に登場した「ラムダ」の流れを受けています。
以下のとおり、ジブリの教科書でもはっきりと書かれています。
ラピュタを守るロボット兵は、宮崎が脚本・演出を担当した『ルパン三世(新)』の最終回「さらば愛しきルパンよ」に登場したロボット、ラムダの発展型だ。
ジブリの教科書 天空の城ラピュタ より引用
以下の金曜ロードショーのツイートは「ラムダ」の画像も掲載されていますが、ロボット兵そのものです。
🔫「みんなが選んだルパン三世」まで、あと1️⃣時間
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) October 15, 2021
3本目は、PART2第155話「さらば愛しきルパンよ」
こちらも、若き宮崎駿監督が、照樹務名義で演出を手掛けた作品☺️
ロボット兵器ラムダを巡り…最終回とは思えないまさかの展開😆をお見逃しなく❗️
#金曜ロードショー pic.twitter.com/O5rFTvKuEU
「ラムダ」はプロペラで飛行するなど、ロボット兵と若干の違いは存在します。
ロボット兵はラムダのバージョンアップというわけですね。
ロボット兵のデザインのモデルは「時計」
ロボット兵の頭は、何とも不思議なデザインとなっていますよね。
このデザインのモデルは、「時計」であると宮崎駿監督は明かしています。
時計の裏ブタを取ると、不思議な感じで機会がつまっているでしょう。
顔のデザインは、あれから来ているんですよ。
The art of Laputa―天空の城ラピュタ より引用
小説版『天空の城ラピュタ』限定のロボット兵のエピソード
『天空の城ラピュタ』には、小説版が存在します。
基本的には映画と同じストーリーですが、一部、オリジナルエピソードも含まれています。
この小説版では、ロボット兵が地上で見つかった時の様子が描かれているのです。
小説版のエピソード
- パズーの住むスラッグ渓谷に、近くの農村の不思議な噂話が聞こえてきた
- 得体の知れない大きな物体が、農地に落下してきた
- 村の者は司祭を呼び、司祭は一目みるなり「悪魔の骨じゃ・・!」と叫んだ
- 悪魔祓いの儀式を行った後、軍が悪魔を引き取りたいと申し出てきた
- 軍は悪魔を発見した農夫と司祭に、金一封を報奨金として与えた
ここで登場する悪魔こそが、テディス要塞で保管されていたロボット兵です。
悪魔を引き取った軍隊が、ムスカ一行だったというわけですね。
映画では落下の描写のみがさらりと描かれましたが、このようなストーリーが存在したのです。
ロボット兵には「三鷹の森ジブリ美術館」で会える
実はロボット兵に会えるスポットが存在します。
東京都三鷹市の「三鷹の森ジブリ美術館」です。
屋上の庭園に、ひっそりと佇んでいます。
庭園に位置するので、個人的には園丁型ロボットであってほしかったですが、置かれているのは兵隊型ロボット兵です(笑)
かなり細部まで作りこまれていますので、一見の価値ありです。
『天空の城ラピュタ』の記事執筆における参考書籍
まつぼくらぶでは『天空の城ラピュタ』の記事を執筆するにあたり、主に以下の書籍を参考にしています。
- ジブリの教科書2 天空の城ラピュタ(文春ジブリ文庫)
- ロマンアルバム 天空の城ラピュタ(徳間書店)
- スタジオジブリ絵コンテ全集 天空の城ラピュタ(徳間書店)
- The art of Laputa―天空の城ラピュタ(徳間書店)
- もう一つの「バルス」 ―宮崎駿と『天空の城ラピュタ』の時代― (講談社文庫)
- 小説 天空の城ラピュタ (アニメージュ文庫)
- ジブリの教科書2 天空の城ラピュタ(文春ジブリ文庫)
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過去のインタビュー内容等を参考、引用しています。
ポチップ - ロマンアルバム 天空の城ラピュタ(徳間書店)
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インタビューや設定情報が記載された公式のムック本です。
- スタジオジブリ絵コンテ全集 天空の城ラピュタ(徳間書店)
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『天空の城ラピュタ』の制作に使用された絵コンテです。
ポチップ - The art of Laputa―天空の城ラピュタ(徳間書店)
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イメージボードやアフレコ台本等、制作時の資料が多数掲載されています。
ポチップ - もう一つの「バルス」 ―宮崎駿と『天空の城ラピュタ』の時代― (講談社文庫)
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ラピュタ制作スタッフが明かす、裏エピソードが語られます。
ポチップ - 小説 天空の城ラピュタ (アニメージュ文庫)
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『天空の城ラピュタ』の小説版です。
映画では説明が省略された、様々な設定を知ることができます。
ポチップポチップ
なお、作品の画像はスタジオジブリ公式サイトから無償提供されている場面写真を使用しております。