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【天空の城ラピュタ】あらすじをネタバレ解説!ストーリーの謎を考察

天空の城ラピュタ_ あらすじ

当記事では、宮崎駿監督作品『天空の城ラピュタ』について、徹底解説します。

あらすじの解説はもちろん、ストーリーの謎の考察まで行います。

スタジオジブリ公式本や原作、関係者の過去インタビューをもとに解説しますので、参考になれば嬉しいです。

筆者のプロフィール
  • スタジオジブリから徒歩圏内の小金井市在住のジブリオタク
  • 好きな場所は三鷹の森ジブリ美術館
  • 最も好きな作品は「風の谷のナウシカ」

当記事は結末等のネタバレを含みますのでご注意ください。

長めの記事になりますので、目次(↓↓)から気になる所にジャンプするのもおすすめです。

目次

【まずは超簡単に】『天空の城ラピュタ』のあらすじ

まずは『天空の城ラピュタ』の全体像をつかんでいただくため、あらすじを手短に超簡単にまとめます。

『天空の城ラピュタ』の超概要

  • 不思議な「飛行石」を持つ少女シータ、鉱夫の少年パズーの物語
  • 軍と海賊は飛行石の不思議な力を狙い、シータを追う
  • シータはパズーと共に逃亡し、絆を深める
  • シータは軍に捕らえられるが、パズーが海賊と協力して救出
  • シータとパズーは海賊と共に空に浮かぶ島「ラピュタ」を目指す
  • 軍の大佐・ムスカはラピュタの兵器を利用し、世界征服を企んでいた
  • ラピュタに到着したパズーとシータは、ムスカと対面しその野望を阻止する

かなりざっくりしてしまいましたが、『天空の城ラピュタ』は分かりやすい冒険活劇です。

宮崎駿監督作品の中ではストーリーも比較的シンプルで、人気の高い作品です。

以下では、『天空の城ラピュタ』のあらすじをさらに詳細に解説しますので、参考になれば嬉しいです。

【ネタバレあり解説】『天空の城ラピュタ』のストーリー

ここからは映画の流れに沿って、『天空の城ラピュタ』のあらすじを解説します。

多くのシーンをカットしながらにはなりますが、楽しんでいただければ嬉しいです。

飛行石の少女と逃亡劇

物語のヒロインは不思議な石「飛行石」を持つ少女シータです。

軍の飛行船に乗せられたシータは、海賊の襲撃を受けて地上に落下します。

気を失ってしまうシータですが、飛行石の力によりゆっくりと地上に降りていきます。

鉱山で働く少年・パズーは、光り輝きながら落下するシータを偶然発見します。

天空の城ラピュタ-スタジオジブリ 場面写真より

目を覚ましたシータは、パズーの明るさに触れてすぐにパズーに心を開きます。

パズーが「天空の島・ラピュタ」への憧れを語った時、シータを追う海賊・ドーラ一家が姿を現すのです。

パズーはシータを守るため、一緒に海賊から逃げ回ります。

天空の城ラピュタ-スタジオジブリ 場面写真より

海賊の追跡を乗り越え、逃げ切ったと思ったパズーとシータですが、目の前に軍隊が現れます。

軍隊もシータの飛行石を狙っていたのです。

海賊と軍隊を何とか振り切るものの、パズーとシータは地下坑道に落下してしまいます。

地下では、物知りなポムじいさんに出会い、飛行石がラピュタと関連することを知ります。

ワンポイント解説

飛行石は「ラピュタ人」だけが結晶化する技術を持っていました。

かつてラピュタ人は飛行石の巨大な結晶を作り、都市を地上に飛ばしたのです。

この話を聞いたパズーはラピュタの存在を確信し、高揚した様子を見せます。

天空の城ラピュタ-スタジオジブリ 場面写真より

坑道を抜けて地上に戻ったシータは、パズーに秘密を打ち明けます。

シータの本名は「リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ」だと言うのです。

ワンポイント解説

シータは、ラピュタ人の末裔だったのです。

シータ自身も詳しいことは知らなかったはずですが、ポムじいさんの「ラピュタ」の話と、自分の秘密の名前が繋がったのでしょう。

パズーが驚いていると、そこに軍隊が襲い掛かります。パズーとシータは軍隊に捕まってしまいました。

囚われの少女と救出劇

捕まったシータは、ムスカ大佐からラピュタの正体について知らされます。

ラピュタ人はその昔、恐るべき科学力で世界を支配していたというのです。

そしてシータは、そのラピュタ人の王族の末裔だというのです。

ワンポイント解説

ラピュタが恐ろしい存在であり、シータ自身がその承継者であることを知り、シータはショックを受けます。

ラピュタの兵器の残骸であるロボットを見せつけられ、ムスカはシータにラピュタ捜索に協力するよう要請します。

天空の城ラピュタ-スタジオジブリ 場面写真より

シータはパズーを恐ろしい事件に巻き込まないため、「ラピュタのことは忘れて」と手を引くように伝えます。

呆然とするパズーですが、軍隊から追い出され、一人むなしく自宅に戻っていきます。

パズーの家で待ち構えていたのは、海賊のドーラ一家でした。

ドーラとのやり取りの中で、パズーはシータの本心(パズーを救うために嘘をついた)を悟ります。

パズーは海賊と手を組み、シータを救出することを決意するのです。

ワンポイント解説

序盤では悪役と思われたドーラ一家が、この場面でパズーの味方となります。

漢気あるドーラの態度や、まっすぐなセリフに魅了された方も多いのではないでしょうか。

天空の城ラピュタ-スタジオジブリ 場面写真より

そのころシータは、幼い頃に母から教わった呪文を思い出していました。

思わずシータは、「我を助けよ」という意味の呪文を呟いてしまいます。

呪文を唱えたとたん、飛行石が強く輝き、死んだと思われていたロボット兵が動き出すのです。

天空の城ラピュタ-スタジオジブリ 場面写真より

封印が解けたロボット兵は、主人であるシータを守るため、軍の要塞を破壊します。

軍はロボット兵に向けて砲撃を開始し、とたんに辺りは火の海となります。

大混乱の中、パズーは海賊とともに到着。見事にシータを助け出すのです。

天空の城ラピュタ-スタジオジブリ 場面写真より

無事シータを救出できた一方で、混乱の中、飛行石はムスカの手に渡ってしまいました。

シータの呪文により封印の解けた飛行石は、ラピュタの方角を示しています。

手がかりを得たムスカは、軍を引き連れて飛行戦艦「ゴリアテ」でラピュタに向けて飛び立ちます。

海賊船に乗船!いざ、ラピュタへ

「ラピュタの本当の姿をこの目で確かめたい」その一心でパズーとシータはラピュタを目指します。

働くことを条件に、ドーラ一家の海賊船でラピュタに向かうこととなります。

パズーとシータは海賊船でせっせと働き、海賊たちとも打ち解けていきます。

天空の城ラピュタ-スタジオジブリ 場面写真より

ムスカの乗るゴリアテとの遭遇など、様々なトラブルに襲われます。

なんとラピュタは「竜の巣」と呼ばれる嵐雲の中に存在しました。

竜の巣に突っ込んだ一行は、なんとかラピュタに漂着することに成功します。

天空の城とムスカの野望

ラピュタに到着したことに気が付いたパズーとシータは、大いに喜びます。

庭を守るロボット兵と出会う等、不思議なラピュタの世界を探索します。

天空の城ラピュタ-スタジオジブリ 場面写真より

パズーとシータはラピュタを探索する中で、ムスカの不穏な動きを目にします。

ラピュタの力を得たムスカは、次第にその本性を明らかにしていきます。

なんとムスカもラピュタ人の末裔で、ラピュタの兵器を利用して世界征服を企んでいたのです。

ムスカは味方であったはずの軍隊までも攻撃し、ラピュタの力を確信します。

天空の城ラピュタ-スタジオジブリ 場面写真より

ムスカの企みを知ったパズーとシータは、ムスカに立ち向かいます。

一旦は飛行石を取り戻したシータですが、ムスカに追い詰められ銃口を突き付けられます。

ワンポイント解説

「3分間待ってやる」

これは銃口を突き付けながら放ったムスカの有名なセリフで、この3分の間にシータとパズーは呪文を唱える相談ができました。

ムスカがあまりにもマヌケに見えますが、絵コンテでは「弾丸がきれていた」と補記されています。

ムスカは親切で時間を与えたわけではなく、単に弾丸を装填する時間を稼いでいただけなのです。

シータは滅びの呪文を唱え、ラピュタを終わらせることを決意します。

そして、パズーとともに呪文を唱えるのです。

「バルス」

天空の城ラピュタ-スタジオジブリ 場面写真より

呪文を唱えたとたん、飛行石は強く光り輝き、ラピュタは崩壊していきます。

ムスカの野望は打ち砕かれ、ラピュタの科学は崩壊し、飛行石は周囲の木々とともに天高く昇っていきました。

無事、海賊・ドーラ一家と合流したパズーとシータは、ようやく安心した笑顔を見せます。

そして、新たな日常へ、あらたな冒険へと旅立っていくのです。(end)

『天空の城ラピュタ』の謎を考察

『天空の城ラピュタ』では、あえてセリフで説明されていない設定も多数存在します。

ここでは、多くの方が疑問に感じるであろう以下の3つの謎について考察します。

  • 「ラピュタ」が滅びた理由
  • 「バルス」の呪文の意味
  • 「ポムじいさん」は何者なのか

以下、順番に解説します。

「ラピュタ」が滅びた理由

パズーとシータがラピュタに到着した時、そこには「ラピュタ人」の姿はありませんでした。

強大な科学力を誇ったラピュタ人は、なぜ滅亡してしまったのでしょうか。

その答えが、ジブリ公式本「ロマンアルバム」の中に書かれていました。

ラピュタ人はおよそ考えられる最高の富を持ち、贅沢の限りをつくしていたが、正体不明の疫病に襲われた。

人はやせおとろえ、ささいな病気にも勝てずバタバタと倒れていった。

ロマンアルバム 天空の城ラピュタ より引用

これはムスカの家に代々伝わる古文書の一部としてロマンアルバムで紹介されているものです。

ラピュタ人は疫病に苦しみ、天空の城を捨ててひっそりと地上に降り立ったというのです。

この時ひっそりと地上に降りたラピュタ人の末裔が、ムスカやシータというわけですね。

「バルス」の呪文の意味

「バルス」は物語のクライマックスでパズーとシータが唱えた滅びの呪文です。

この呪文を唱えたことでラピュタは崩壊し、ムスカの野望を打ち砕くことに成功しました。

次の瞬間、二人はやや青ざめた顔で「滅びの呪文」を叫んだ。

「バルス!」

小説 天空の城ラピュタ より引用

シータはこの滅びの呪文を、「絶対に使ってはいけない言葉」としておばあさんから教わっていました。

では、この「バルス」に語源や由来はあるのでしょうか。

宮崎駿監督はインタビューで、ラピュタ語は「口から出まかせ」だと語っています。

―ラピュタ語について伺いたいのですが、あれは何か意味があるのですか?

宮崎 何もないです。口から出まかせです。なるべく英語でもなく、日本語でもないようなものを考えるんです。

ジブリの教科書 天空の城ラピュタ より引用

宮崎駿監督はこのように語っているものの、ネット上では「トルコ語説」も存在します。

トルコ語で「平和」を意味するBarış(バルシュ)という単語が語源であるという説です。

暴走する兵器を止め、平和をもたらすという意味では、面白い説ではありますね。

バルスについては以下の記事でさらに詳細に解説していますので、ぜひこちらも合わせてご覧ください。

「ポムじいさん」は何者なのか

天空の城ラピュタ-スタジオジブリ 場面写真より

地下坑道でパズーとシータに飛行石について語ったのがポムじいさんです。

脇役と呼ぶには強烈な存在感を放っており、「彼は何者?」と話題になることも多いキャラクターです。

ポムじいさんは、ネット上では以下のように考察されています。

ネット上の「ポムじいさん」の考察

  • 軍の内通者
    →パズーとシータが地上に上がってすぐに軍に捕まったことから、ポムじいさんは軍の内通者だと考える説
  • ラピュタ人の末裔
    →ラピュタ人の末裔だからこそ、飛行石の秘密を知っていると考える説
  • 飛行石の採掘作業員
    →かつてラピュタ人の依頼で、飛行石を採掘していたと考える説

いずれもとても面白い説ですが、正直根拠には乏しいです。

ロマンアルバムによると、「ラピュタ」は700年前に滅んだとされています。

少なくとも、ポムじいさんがラピュタ人と直接取引していた可能性はないと言い切れます。

ポムじいさんは、公式には以下のように紹介されています。

70歳。代々の鉱夫、スラッグ渓谷の地下を熟知、岩を愛して、網目のような坑道をさまよって、貴石の類を探し、暮らしている。物知りの良いおじいさん。シータやパズーを助けてくれる。「山の生き字引」と呼ばれる鉱山師。

ロマンアルバム 天空の城ラピュタ より引用

このような記載から考えても、ポムじいさんは岩を愛し岩と向き合ってきたからこそ、飛行石の秘密にも気が付いたと言えるでしょう。

要するに、異常なまでの岩石オタクなのです。

「ラピュタ人の末裔」「軍の内通者」とするのは深読みしすぎであると当サイトでは考えます。

パズーとシータに重要な情報を与えた貴重なキャラクターは、岩をこよなく愛する岩石オタクだったのです。

『天空の城ラピュタ』の登場人物/声優

『天空の城ラピュタ』には、特徴的で魅力的なキャラクターが多数登場します。

  • パズー(声優:田中真弓)
  • シータ(声優:横沢啓子)
  • ドーラ(声優:初井言榮)
  • ムスカ(声優:寺田農)
  • ポムじいさん(声優:常田富士男)

などなど、登場人物については以下の記事でまとめてみました。

登場人物について知りたい方は、こちらの記事もぜひ合わせてご覧ください。

『天空の城ラピュタ』の原作・モデル

『天空の城ラピュタ』は宮崎駿監督の完全オリジナル作品であり、原作はありません。

ただし、以下のような作品の影響を受けていることが、インタビューや制作メモで明らかになっています。

  • スウィフトのガリバー旅行記
  • インドの民族叙事詩『ラーマーヤナ』『マハーバーラタ』

スウィフトのガリバー旅行記に関しては、物語の中でもパズーが触れていましたね。

「ラピュタ」の原作やモデルについては、以下の記事でさらに詳細に解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。

『天空の城ラピュタ』の記事執筆における参考書籍

まつぼくらぶでは『天空の城ラピュタ』の記事を執筆するにあたり、主に以下の書籍を参考にしています。

  • ジブリの教科書2 天空の城ラピュタ(文春ジブリ文庫)
  • ロマンアルバム 天空の城ラピュタ(徳間書店)
  • スタジオジブリ絵コンテ全集 天空の城ラピュタ(徳間書店)
  • The art of Laputa―天空の城ラピュタ(徳間書店)
  • もう一つの「バルス」 ―宮崎駿と『天空の城ラピュタ』の時代― (講談社文庫)
  • 小説 天空の城ラピュタ (アニメージュ文庫)
ジブリの教科書2 天空の城ラピュタ(文春ジブリ文庫)

過去のインタビュー内容等を参考、引用しています。

著:スタジオジブリ, 編集:文春文庫
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ロマンアルバム 天空の城ラピュタ(徳間書店)

インタビューや設定情報が記載された公式のムック本です。

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スタジオジブリ絵コンテ全集 天空の城ラピュタ(徳間書店)

『天空の城ラピュタ』の制作に使用された絵コンテです。

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イメージボードやアフレコ台本等、制作時の資料が多数掲載されています。

編さん:アニメージュ編集部
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ラピュタ制作スタッフが明かす、裏エピソードが語られます。

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映画では説明が省略された、様々な設定を知ることができます。

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なお、作品の画像はスタジオジブリ公式サイトから無償提供されている場面写真を使用しております。

天空の城ラピュタ スタジオジブリ場面写真

当記事の拡散は大歓迎です

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