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【千と千尋の神隠し】正体は何者?カオナシの詳細設定を解説!

千と千尋の神隠し_ カオナシ

当記事では『千と千尋の神隠し』に登場するカオナシについて紹介します。

まるで病んでいる現代人のような設定で、宮崎駿監督のメッセージ性も感じられるキャラクターですね。

公式本の内容や、宮崎駿監督のインタビューをもとに解説していますので、参考になれば幸いです。

『千と千尋の神隠し』の登場人物については以下の記事でまとめていますので、ぜひこちらも合わせてご覧ください。

筆者のプロフィール
  • スタジオジブリから徒歩圏内の小金井市在住のジブリオタク
  • 好きな場所は三鷹の森ジブリ美術館
  • 最も好きな作品は「風の谷のナウシカ」

当記事は結末等のネタバレを含みますのでご注意ください。

目次

カオナシの詳細設定

千と千尋の神隠し-スタジオジブリ 場面写真より

カオナシは物語をかき回す、『千と千尋の神隠し』の重要なキャラクターです。

当初は橋の上でじっと立っているだけの存在でしたが、千尋に油屋に招かれたことで、大暴れすることになります。

名前カオナシ
一言プロフィール寂しがり屋で臆病な謎の男
声優中村彰男

ジブリ公式本のロマンアルバムによると、「油屋のある世界とは別のところからやってきた謎の男」と紹介されています。

千尋と同じように、油屋のある世界とは別のところからやってきた謎の男。

己というものを持たない悲しい存在で、呑み込んだ相手の声を借りてしかコミュニケーションが取れない。

ハクに連れられて油屋にやってきた千尋を入口前の橋の上で見かけた時から、ずっと千尋のことを見ている。

淋しがりやで、常に誰かにくっつくようにしていないと、何もできない臆病なところがある。自分の気持ちを抑えることができなくなると、暴れ出す。

ロマンアルバム 千と千尋の神隠し(徳間書店)より

千尋に執着する悲しい存在

カオナシは映画の中で、とにかく千尋に執着します。

その理由のひとつに、カオナシもあの世界では異物であるという点が挙げられるでしょう。

カオナシはあの世界では千尋と同じように異物である。

そのゆえ千尋には、カオナシを理解できる部分があったのかもしれない。

ロマンアルバム 千と千尋の神隠し(徳間書店)より

カオナシも千尋と同じく、異世界に迷い込んだ存在なのです。

異世界で居場所もなく、不安で仕方ない状態だったのではないでしょうか。

そんな中、同じく異物である千尋に優しくされたことで、居場所を見つけたような気持になったのではないでしょうか。

飲み込んだ者の特徴を吸収する

カオナシは青蛙や兄役、湯女を呑み込むことで、その特徴を吸収しています。

本来、カオナシは言葉を話すことはできず、「アァ・・アァ・・」とうめき声をあげるだけです。

青蛙を呑み込んで以降、青蛙の声ではっきりと言葉を話すようになりますよね。

また、声だけでなく姿形も吞み込んだ者に寄せられています。

以下の画像では、カオナシが蛙のような形になっているのが分かりやすいのではないでしょうか。

また、兄役を吞み込んで以降は髪の毛も生えています。

千と千尋の神隠し-スタジオジブリ 場面写真より

カオナシは本来の自分の姿では、まともにコミュニケーションも取れませんでした。

呑み込んだ相手の声を借りてしかコミュニケーションが取れない、淋しい存在なのです。

身体の濃さはカオナシの気持ちそのもの

ジブリ公式本であるロマンアルバムによると、「千尋に常に優しくされていないと身体が透け、存在そのものが薄くなる」と明かされています。

たしかにカオナシの身体の濃さは、映画をとおして一定ではありません。

カオナシの身体の濃さは、カオナシの心の安定度、気持ちそのものを表していると解釈できます。

実際に、千尋に湯札をあげようとして「いらない」と断られたときは、身体が透けて消えてしまいましたよね。

千と千尋の神隠し-スタジオジブリ 場面写真より

特に海原電鉄に乗る際には不安も大きく、身体が透けています。

絵コンテにも「キョロついたり落ち着かない。身体までスーッと薄くなっていく」と説明されています。

千と千尋の神隠し-スタジオジブリ 場面写真より

一方で、銭婆の元に残ることが決まり、居場所を見つけたカオナシははっきりと描かれています。

姿が濃いどころか、足までもがはっきりと描かれているので、ぜひじっくり観察してみてください。

絵コンテでも「カオナシにはやくも足があるのはできすぎだがつけましょう」と補記されています。

スタジオジブリ絵コンテ全集 千と千尋の神隠し(徳間書店)より

「地に足のついた」とはまさにこういうことなのかもしれませんね(笑)

カオナシに関する裏話

ここからは、映画を見ただけでは分からないカオナシに関する裏話を紹介します。

宮崎駿監督や鈴木敏夫プロデューサーのインタビュー中心に紹介しますので、参考になれば幸いです。

カオナシの正体は「みんなの中にいる」?

カオナシに宮崎駿監督のメッセージ性を感じた方も多いのではないでしょうか。

カオナシの正体は一体何者で、何を表現しているのでしょうか。

このヒントとなる宮崎駿監督のインタビューが、以下の内容です。

―現代の若者を表している印象を受けたのですが。

宮崎 僕は特にそう思って作ったわけじゃないです。カオナシという名前もお面があるだけで、あとは何を考えているのか、何をしたいのかわからない……表情もほとんど変わらないから、そういう名前にしただけなんです。でも本当に、ああいう誰かとくっつきたいけど自分がないっていう人、どこにでもいると思いますけどね。

ロマンアルバム 千と千尋の神隠し(徳間書店)より

宮崎駿監督は「そうじゃない」と言っているものの、インタビュアーが「現代の若者」と言った理由も分かりますね。

カオナシの特徴は、確かに病んでしまった現代人に通ずる部分もあります。

  • はっきりとした「自分」を持っていない
  • 仮の姿でないと、まともにコミュニケーションも取れない
  • 誰かについていないと、臆病で何もできない
  • 自分の気持ちが抑えきれなくなると、暴走する

こういったカオナシについて、宮崎駿監督は「どこにでもいる」と回答しました。

宮崎駿監督に言わせれば、カオナシは決して「現代の若者」の問題ではなく、誰もが抱える心の問題なのかもしれません。

実際にスタジオジブリ公式Twitterでは、カオナシについて以下のようなQAを投稿しています。

「みんなの中にカオナシはいる」はなかなか深い発言ですね。

誰もが抱える心の闇を表現したのが、カオナシであると解釈できるのではないでしょうか。

『千と千尋の神隠し』はカオナシの映画である

『千と千尋の神隠し』について、どのような印象をお持ちでしょうか。

「千尋とハクのラブストーリー」「千尋と家族の物語」など、様々な受け止め方があるでしょう。

ただ宮崎駿監督や鈴木敏夫プロデューサーは『千と千尋の神隠し』は「カオナシの映画」だと発言しています。

鈴木敏夫プロデューサーがロマンアルバムに掲載されたインタビューで以下のように明かしているのです。

フイルムを全部通して見た時、宮さんが言ったんです。「これはカオナシの映画だ」って。

僕はそんなこととうに気づいていたので、「当たり前じゃないですか」と。

ロマンアルバム 千と千尋の神隠し(徳間書店)より

実際に鈴木敏夫プロデューサーが宣伝用に制作した特報でも、明らかにカオナシがメインとなっています。

当記事の拡散は大歓迎です

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