【千と千尋の神隠し】釜爺(かまじい)の詳細設定を解説!モデル・声優は誰?

当記事では、『千と千尋の神隠し』に登場する釜爺について、詳細設定を紹介します。

ジブリ公式本や関係者インタビューをもとに、意外と知られていない裏話もご紹介します。

『千と千尋の神隠し』の登場人物については以下の記事でまとめていますので、ぜひこちらも合わせてご覧ください。

筆者のプロフィール
  • スタジオジブリから徒歩圏内の小金井市在住のジブリオタク
  • 好きな場所は三鷹の森ジブリ美術館
  • 最も好きな作品は「風の谷のナウシカ」

当記事は結末等のネタバレを含みますのでご注意ください。

目次

釜爺(かまじい)の基本設定

千と千尋の神隠し-スタジオジブリ 場面写真より
名前釜爺(かまじい)
一言プロフィールボイラー室で働く6本腕の老人
声優菅原文太

『千と千尋の神隠し』における釜爺の主な役回りは以下のとおりです。

  • 油屋のボイラー室を管理し、薬湯を調合することが仕事
  • 6本腕をせわしなく動かし、忙しく働いている
  • 迷い込んだ千尋に助け舟を出し、千尋が油屋で働くきっかけを作った
  • 千尋に銭場の家を教え、電車の切符を与えるなど、「あの世界」をよく知る重要人物

主人公の千尋も釜爺を信用している様子で、物語には欠かせないキャラクターです。

釜爺の詳細設定・裏話

ここからは意外と知られていない、釜爺の詳細設定について紹介します。

以下の観点で順番に紹介します。

  • 契約に基づく労働者である
  • 本当の名前は湯婆婆に秘密にしている
  • 釜爺のモデルが「ザトウムシ」は間違い
  • ボイラー室のモデルは「武居三省堂」

契約に基づく労働者である

釜爺には映画本編ではカットされてしまった幻のセリフが存在します。

ハンコを盗んだハクを助ける際に、釜爺と千尋の以下のような会話が絵コンテに描かれているのです。

釜爺「そのハンコがあれば湯屋の労働協約を変えられるんだ。そしたらここで働いているオレ達はみんな魔女のドレイにされてしまう」

千尋「わたしもう、ドレイかと思ってた」

釜爺「フン、オレ達はれっきとした労働者だ。自分で決めてここで働いているんだよ」

湯婆婆にこき使われているように見える釜爺ですが、実は正規に湯婆婆と雇用契約を結んでいるのです。

千尋のように両親を人質に取られ、半ば奴隷的に働いているわけではないのですね。

オレ「達」は~のセリフのように、釜爺以外の従業員も湯婆婆とは契約関係にあると推測できます。

本当の名前は湯婆婆に秘密にしている

同じく絵コンテにのみ登場する幻のセリフで、釜爺は以下のようにも語っています。

釜爺「風呂屋にいるのも出ていくのも自由さ。本当の名前を魔女には秘密にしているからな」

『千と千尋の神隠し』の世界では、「名前」は極めて重要な意味を持っています。

この映画のねらいとして、宮崎駿監督は以下のように語っています。

名前を奪うという行為は、呼び名を変えるということではなく、相手を完全に支配しようとする方法である。

千は、千尋の名を自分自身が忘れていくことに気が付きゾッとする。

ジブリの教科書12 千と千尋の神隠し(文春ジブリ文庫)より

釜爺は名前を守っているからこそ、湯婆婆と対等な関係で契約を結べているのです。

釜爺のモデルが「ザトウムシ」は間違い

釜爺のモデルについて調査する中で、ネット上では釜爺のモデルとして「ザトウムシ」が紹介されていることに気が付きました。

6本足の虫である「ザトウムシ」や「カマドウマ」が紹介されていることが非常に多いです

6本腕の釜爺と6本足のザトウムシは動きがよく似ていることが理由として挙げられています。

ただ、当サイトではこの説は正しくないと考えています。

そもそもですが、釜爺は6本腕ですが6本足ではありません。

以下の画像をよく見てもらえれば分かりますが、6本の腕に加えて2本の足があります(緑のズボンをはいています)

千と千尋の神隠し-スタジオジブリ 場面写真より

ボイラー室で働く釜爺も、足は胡坐をかいて座っている様子がしっかりと描かれています。

釜爺とザトウムシでは、足(腕)の数が違います。

本当にザトウムシがモデルなら、宮崎駿監督がこのようなミスはしないはずです。

釜爺は6本腕ではありますが、6本足ではないのです(足として数えるなら、8本足でむしろ蜘蛛に近いです)

そもそも、釜爺の初期のイメージボードでは普通の老人として描かれています。

釜爺イメージボード
The art of Spirited away―千と千尋の神隠し(徳間書店)より

釜爺は、最初、普通のお爺さんだったんですけど、手がワッと生えてきて、ワサワサ一緒に動いていると面白いんじゃないか、という話になって、絵コンテが上がってきた時にはそうなっていました。

The art of Spirited away―千と千尋の神隠し(徳間書店)より引用

ザトウムシの動きを参考にしたという可能性は否定できませんが、「釜爺のモデルはザトウムシだ」と言い切るのは難しいでしょう。

ボイラー室のモデルは「武居三省堂」

釜爺の働くボイラー室は「武居三省堂」がモデルになっています。

「武居三省堂」は東京都小金井市の「江戸東京たてもの園」に展示されている建物です。

窯爺の仕事場モデル
武居三省堂(撮影:まつぼくらぶ)

江戸東京たてもの園は『千と千尋の神隠し』のモデルであるとスタジオジブリが公式に宣言しています。

たしかに、壁一面に広がる棚の作りなどはそっくりです。

武居三省堂の棚
武居三省堂の棚(撮影:まつぼくらぶ)

江戸東京たてもの園にはその他にも、『千と千尋の神隠し』を彷彿とさせる建物がいくつも存在します。

詳細は以下の記事でまとめていますので、ぜひ合わせてご覧ください。

東京に立ち寄る際は、江戸東京たてもの園もいかがでしょうか。

釜爺の食事は豪華!?

細かい描写にはなりますが、釜爺の食事は毎回天丼です。

オクサレ様が来た時、リンが千尋に届けようとしたご飯はたくあんご飯でした(結局腐ってしまいましたが)

たくあんと比べると、天丼はかなり豪華です。

ロマンアルバムでも釜爺の食事について、以下のように説明されています。

地下のボイラー室を預かり、火の調整から薬湯の調合まで行う釜爺。彼がいなければ湯屋としての業務は成り立たない。湯婆婆もそのことを承知しているのか、釜爺の食事は、毎回天丼とけっこう豪華。

今ではさほど実感はないかもしれないが、かつて天丼といえば外食では一番のごちそうだった。

重要な仕事を担う釜爺への、湯婆婆の配慮なのですね。

釜爺の名セリフ

釜爺は登場する時間こそ長くはないものの、貴重な数々の名セリフを残しています。

手ェ出すんなら、しまいまでやれ

千尋が炭に潰されたススワタリを助けた際に、釜爺からかけられた一言です。

その他には「気まぐれに手ェ出して人の仕事をとっちゃならねえ」等の発言も見られます。

仕事について考えさせられるセリフで、宮崎駿監督の仕事観が垣間見えるセリフとも言えます。

エンガチョ!

千尋がタタリ虫を踏み潰した際に生まれた名場面です。

良く分からなかったという方も多いようですが、ロマンアルバムでは以下のように説明されています。

なにか汚いもの、ケガレに触れたときに、感染を心理的に防ぐための呪術的方法のひとつだろう

ロマンアルバム 千と千尋の神隠し(徳間書店)より

要するに、お遊びみたいなものです(笑)

緊迫したシーンに突然ツッコまれるお笑い要素ですね。

わからんか、あいだ、愛

宮崎駿監督の作品においては珍しく、ストレートに愛を語るセリフです。

釜爺の声優・菅原文太さんに関するエピソード

釜爺の声優は昭和のスター俳優・菅原文太さんです。

若い世代の間では、人気漫画ワンピースの登場人物「赤犬」のモデルになった人物としても有名です。

釜爺の声優については、宮崎駿監督が非常に頭を悩ませていたことが明かされています。

ラジオ「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」では、2015年2月25日に菅原文太特集を配信していますが、その中で、鈴木敏夫プロデューサーが以下のように語っています。(一部抜粋)

「あの釜爺を誰にやってもらうかっていうのは、宮崎駿がすごくこだわったんですよ。何でかといったら、ひとつは「それは愛だ」ってセリフがあるんです。宮崎駿の要望は、それを言って真実味がある人いないの?っていう」

要するに、愛を語っても違和感がない声を宮崎駿監督は求めていたわけです。

これに対して、鈴木敏夫プロデューサーが大好きだった菅原文太さんを推薦したそうです。

宮崎駿監督も菅原文太さんの演技を気に入り、結果的に味のある釜爺が誕生したのです。

『千と千尋の神隠し』の記事執筆における参考書籍

まつぼくらぶでは『千と千尋の神隠し』の記事を執筆するにあたり、主に以下の書籍を参考にしています。

  • ジブリの教科書12 千と千尋の神隠し(文春ジブリ文庫)
  • ロマンアルバム 千と千尋の神隠し(徳間書店)
  • スタジオジブリ絵コンテ全集 千と千尋の神隠し(徳間書店)
  • The art of Spirited away―千と千尋の神隠し(徳間書店)
  • 千と千尋の神隠し 千尋の大冒険(ふゅーじょんぷろだくと)
ジブリの教科書12 千と千尋の神隠し(文春ジブリ文庫)

過去のインタビュー内容等を参考、引用しています。

ロマンアルバム 千と千尋の神隠し(徳間書店)

インタビューや設定情報が記載された公式のムック本です。

スタジオジブリ絵コンテ全集 千と千尋の神隠し(徳間書店)

『もののけ姫』の制作に使用された絵コンテです。

The art of Spirited away―千と千尋の神隠し(徳間書店)

イメージボードやアフレコ台本等、制作時の資料が多数掲載されています。

千と千尋の神隠し 千尋の大冒険(ふゅーじょんぷろだくと)

独自インタビュー等、ここでしか知ることができない貴重な情報が掲載されています。
既に絶版となっており、プレミア価格がついている貴重な書籍です。
(当サイトも入手には苦労し、図書館でなんとか借りることができました)

なお、作品の画像はスタジオジブリ公式サイトから無償提供されている場面写真を使用しております。

千と千尋の神隠し スタジオジブリ場面写真

当記事の拡散は大歓迎です

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