当記事では『ハウルの動く城』のカルシファーについて解説します。
「火の悪魔」という唯一無二のキャラクターで、人気も高いです。
ジブリ公式本や原作、関係者インタビューをもとに、意外と知られていない裏話も紹介します。
『ハウルの動く城』の登場人物については以下の記事でまとめていますので、ぜひこちらも合わせてご覧ください。
- スタジオジブリから徒歩圏内の小金井市在住のジブリオタク
- 好きな場所は三鷹の森ジブリ美術館
- 最も好きな作品は「風の谷のナウシカ」
当記事は結末等のネタバレを含みますのでご注
カルシファーの特徴・基本設定
名前 | カルシファー |
年齢 | ー |
一言プロフィール | ハウルと契約する火の悪魔 ハウルの城を動かしている |
声優 | 我修院達也 |
カルシファーはハウルと契約を交わした火の悪魔です。
他の作品を見渡しても唯一無二のキャラクターであり、可愛らしさと強力さを兼ね備えています。
性格の良い陽気な火の悪魔
「火の悪魔」と聞くと恐ろしい悪役をイメージしそうになりますが、カルシファーはそうではありません。
基本的に友好的で、性格の良い悪魔として描かれています。
物事を頼まれると、とりあえず駄々をこねるが、基本的には人の言うことは聞いてくれる、性格のいい悪魔
ハウルの動く城 ロマンアルバムより
また、戦争に対して嫌悪感を示すセリフも登場します。
カルシファー「オイラ、火薬の火は嫌いだよ。やつらには礼儀ってものがないからね」
戦いを好まない、優しい悪魔なのでしょう。
ハウルの城を動かす強力な魔力
陽気でかわいいカルシファーですが、その能力は見事なものです。
- 巨大なハウルの城を動かしている
- ソフィーの呪いを一目で見抜く
などなど、優秀な魔法使いでもあるのです。
ソフィーと契約し髪の毛を食べた場面等、時には凶悪な悪魔の表情を見せることもあります。
カルシファーに関する裏話
『ハウルの動く城』の映画を見ているだけでは分からない、カルシファーに関する裏話を紹介します。
ジブリ公式本の内容や関係者インタビューをもとに解説しますので、参考になれば嬉しいです。
カルシファーの正体は「星の子」
カルシファーは「火の悪魔」として登場しますが、その正体は「星の子」です。
流れ星として地上に落下し、消えてしまうところをハウルと出会い、契約を結んでいます。
ハウルと契約を交わした火の悪魔。もとは地に落ちる前の流れ星(星の子)。
ハウルの動く城 ロマンアルバムより
映画ではセリフで説明されることはありませんが、以下のシーンがまさに契約の瞬間です。
なお、原作においてはソフィーがはっきりとカルシファーに尋ねています。
カルシファー。あんたって、もと流れ星だったんじゃない?
『魔法使いハウルと火の悪魔』より引用
原作では、消えてしまうカルシファーをかわいそうに思ったハウルが、カルシファーを救ったとされています。
カルシファーはソフィーの魔法の力で生き延びた
消えてしまうはずだった「星の子」カルシファーは、ハウルに心臓を返せば再び消えてしまうはずでした。
カルシファーが生き延びた理由は、ソフィーの魔法の力が大きく関係しています。
映画では明確に説明されていませんが、ソフィーは原作では「言葉を現実にする力(言霊の魔法)」を持つ魔女なのです。
原作の設定も紹介!
ソフィーは言葉にしたこと物に吹き込む魔力を持っています。
例えば、「これを被った人がお金持ちと結婚できますように」と思いを込めて帽子を作れば、その帽子を被った人は本当にお金持ちと結婚してしまいます。(映画でもソフィーのお母さんがお金持ちと再婚する描写がありますが、このソフィーの力のおかげだということが原作でははっきり描かれています)
ソフィーは心臓をハウルに返す際、「カルシファーが千年も生き、ハウルが心を取り戻しますように・・」と祈りました。
だからこそ、カルシファーは心臓を返しても生き延びたのです。
ソフィーについてさらに詳しく理解したい方は、ぜひ以下の記事も合わせてご覧ください。
原作には悪役の「火の悪魔」が登場する
カルシファーはハウルと契約を結んだ性格の良い火の悪魔でした。
一方で原作には、荒地の魔女と契約を結んだ悪役の火の悪魔も登場します。
原作においては、荒地の魔女と火の悪魔は最後まで悪役です。
荒地の魔女と、この火の悪魔を倒すことで物語はハッピーエンドとなるのです。
ジブリ美術館にカルシファーの原型が存在する?
カルシファーは他には無い見た目の唯一無二のキャラクターです。
このカルシファーは、ジブリ美術館の展示が参考にされているとパンフレットで明かされています。
三鷹の森ジブリ美術館にはエンドレスの短編アニメーションを上映する装置「フィルムぐるぐる」という展示物がある。そこで上映される映像の中に、動く炎を描いたパートがある。(中略)
この炎は、どこか本作のカルシファーを思わせるところがある。
「ハウル」の制作スタッフによれば、宮崎監督はあの映像をベースにして、本作のカルシファーを生み出したのではないかという。
『ハウルの動く城』映画パンフレットより引用
筆者自身、ジブリ美術館には頻繁に通っていますが、あの展示はカルシファーだと思っていました(笑)
むしろこの展示がカルシファーのモデルになっているのですね。
【考察】カルシファーとハウルの契約内容
ハウルとカルシファーの契約について、ロマンアルバムでは以下のように記載されています。
子どもの頃のハウルはさらなる魔力を求めてか、火の悪魔カルシファーと契約を結んだ。
心臓、もしくは眼と交換でその魔力を使えるようになるらしく、実際カルシファーはハウルの心臓に宿っていた。
ハウルの動く城 ロマンアルバムより
つまり、ハウルは心臓を捧げた代わりにカルシファーから魔力を得たわけです。
ソフィーがこの瞬間を目撃し、心臓をハウルに返したことで契約は解除となりました。
『ハウルの動く城』の記事執筆における参考書籍
まつぼくらぶでは『ハウルの動く城』の記事を執筆するにあたり、主に以下の書籍を参考にしています。
- ジブリの教科書13 ハウルの動く城(文春ジブリ文庫)
- ロマンアルバム ハウルの動く城(徳間書店)
- スタジオジブリ絵コンテ全集 ハウルの動く城(徳間書店)
- The art of HOWL’S MOVING CASTLE―ハウルの動く城(徳間書店)
- ジブリの教科書13 ハウルの動く城(文春ジブリ文庫)
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過去のインタビュー内容等を参考、引用しています。
ポチップ - ロマンアルバム ハウルの動く城(徳間書店)
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インタビューや設定情報が記載された公式のムック本です。
- スタジオジブリ絵コンテ全集 ハウルの動く城(徳間書店)
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『ハウルの動く城』の制作に使用された絵コンテです。
- The art of HOWL’S MOVING CASTLE―ハウルの動く城(徳間書店)
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イメージボードやアフレコ台本等、制作時の資料が多数掲載されています。
ポチップ
なお、作品の画像はスタジオジブリ公式サイトから無償提供されている場面写真を使用しております。