当記事では『ハウルの動く城』の謎の犬・ヒンについて解説します。
オジサンのような顔をした不思議なキャラクターですね。
ジブリ公式本や原作、関係者インタビューをもとに、意外と知られていない裏話も紹介します。
『ハウルの動く城』の登場人物については以下の記事でまとめていますので、ぜひこちらも合わせてご覧ください。
- スタジオジブリから徒歩圏内の小金井市在住のジブリオタク
- 好きな場所は三鷹の森ジブリ美術館
- 最も好きな作品は「風の谷のナウシカ」
当記事は結末等のネタバレを含みますのでご注意
謎の犬ヒンの特徴・基本設定
名前 | ヒン |
年齢 | 不明 |
一言プロフィール | サリマンの使い魔の老犬 ソフィーに懐く |
声優 | 原田大二郎 |
ヒンはソフィーが王宮に向かう際に出会った謎の老犬です。
ソフィーは最初はハウルの変装だと勘違いしましたが、その正体はサリマンの手下でした。
名前の由来は奇妙な鳴き声
ヒンは犬ではありますが、「ワンワン」とは鳴きません。
鳴き声は「ヒン!」です。
元気ある鳴き声と言うよりは、すこししゃがれた、老犬らしい鳴き声で鳴きます。
サリマンからは「ベンジャミン」と名付けられていましたが、ソフィーからはこの鳴き声のため「ヒン」と呼ばれます。
サリマンの手下でハウルの監視がミッション
ヒンは物語の後半はソフィーと行動を共にしますが、本来はサリマンの手下です。
はじめてソフィーと出会った場面では、ソフィーをサリマンの元へと導きました。
その後もハウルやソフィーを監視する仕事が与えられましたが、サリマンのセリフから、ろくに仕事をしていなかったことがわかります(笑)
サリマン「なんです。今頃連絡して来て・・あなた何をやっていたの」
サリマン「ハッピーエンドってわけね。この浮気者!」
ソフィーに懐き、家族の一員に
サリマンからの仕事をそっちのけで、ヒンはソフィーの家族の一員に加わります。
マルクル達と楽しそうに過ごす様子も描かれています。
一方で、物語の終盤ではソフィーをハウルの過去に導く等、重要な役割も果たします。
ぼーっとしているように見えて、物語のカギを握る重要なキャラクターです。
ヒンに関する裏話
『ハウルの動く城』の映画を見ているだけでは分からない、ヒンに関する裏話を紹介します。
ジブリ公式本の内容や関係者インタビューをもとに解説しますので、参考になれば嬉しいです。
正体は人間?
実は原作では、ヒンの正体は人間(ジャスティンという名の王子)です。
映画においてはヒンの正体に触れられることはなかったですが、絵コンテにも「ジャスティン」という記載が見つかります。
宮崎駿監督も「正体は人間」ということを意識していたのでしょう。
ソフィーがヒンを抱きかかえると異様に重いという描写がありましたが、それはヒンの正体が人間だからかもしれません。
ヒンは実は人間だからこそ、体重は小型犬ではなく人間の重みとして表現したのではないでしょうか。
モデルは映画監督の押井守
ヒンのモデルと呼ばれているのが、宮崎駿監督と親交のある、同じく映画監督である押井守監督です。
(押井監督いわく、しょっちゅう喧嘩していたそうですが・・笑)
宮崎駿監督自身が明言したわけではありませんが、並べてみると誰もが納得するのではないでしょうか。
みなさま お誕生日のお祝いありがとうございます!#押井守 pic.twitter.com/jbrznPA09E
— 押井守 公式アカウント (@oshii_mamoru) August 9, 2018
めちゃくちゃソックリですね(笑)
押井監督自身も、著書の中でヒンについてコメントしています。
明らかに僕に対する悪意を感じるよね。だってヒンってダメイヌでしょ。性格も悪そうだし。
『誰も語らなかったジブリを語ろう』押井守(徳間書店)より引用
『ハウルの動く城』の記事執筆における参考書籍
まつぼくらぶでは『ハウルの動く城』の記事を執筆するにあたり、主に以下の書籍を参考にしています。
- ジブリの教科書13 ハウルの動く城(文春ジブリ文庫)
- ロマンアルバム ハウルの動く城(徳間書店)
- スタジオジブリ絵コンテ全集 ハウルの動く城(徳間書店)
- The art of HOWL’S MOVING CASTLE―ハウルの動く城(徳間書店)
- ジブリの教科書13 ハウルの動く城(文春ジブリ文庫)
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過去のインタビュー内容等を参考、引用しています。
ポチップ - ロマンアルバム ハウルの動く城(徳間書店)
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インタビューや設定情報が記載された公式のムック本です。
- スタジオジブリ絵コンテ全集 ハウルの動く城(徳間書店)
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『ハウルの動く城』の制作に使用された絵コンテです。
- The art of HOWL’S MOVING CASTLE―ハウルの動く城(徳間書店)
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イメージボードやアフレコ台本等、制作時の資料が多数掲載されています。
ポチップ
なお、作品の画像はスタジオジブリ公式サイトから無償提供されている場面写真を使用しております。