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スタジオポノックとは?ジブリとの関係性・違いを解説!

スタジオポノックとは

スタジオポノックは2015年に設立されたアニメ制作会社です。

ジブリの意思を継いだスタジオであり、まるでジブリのような作品を生み出しています。

当記事では、このスタジオポノックについて徹底解説します。

筆者のプロフィール
  • スタジオジブリから徒歩圏内の小金井市在住のジブリオタク
  • 好きな場所は三鷹の森ジブリ美術館
  • 最も好きな作品は「風の谷のナウシカ」
目次

スタジオポノックとは?

スタジオポノックは、かつてスタジオジブリに在籍したメンバーによって設立された制作会社です。

ここでは以下の観点で順番に解説します。

  • スタジオポノックの基本情報
  • スタジオポノックの社長・在籍メンバー
  • 「ポノック」の意味は「深夜0時」

スタジオポノックの基本情報

スタジオポノックの基本情報は以下のとおりです。

会社名株式会社スタジオポノック
(STUDIO PONOC, inc.)
所在地東京都武蔵野市境南町2-10-21
代表取締役西村義明
設立2015年4月
代表作メアリと魔女の花(2017年)
ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-(2018年)
屋根裏のラジャー(2023年)
公式サイトhttps://www.ponoc.jp/

宮崎駿監督の『風立ちぬ』制作後の引退宣言を受けて、2015年に誕生した比較的新しいスタジオです。

スタジオの最寄り駅は中央線の武蔵境駅で、スタジオジブリの最寄り駅(東小金井駅)からは1駅の距離となっています。

スタジオポノックの社長・在籍メンバー

スタジオジブリの制作部門解散をきっかけに誕生したスタジオということもあり、多くのジブリ出身者が在籍しています。

ここではその中でも、社長である西村義明プロデューサー、監督を務めた米林宏昌監督、百瀬義行監督、山下明彦監督の4名について簡単に紹介します。

西村義明

スタジオジブリ出身のプロデューサーで、スタジオポノックの設立者・代表取締役です。(1977年生まれ)

スタジオジブリでは主に以下のような作品に関わっています。

<ジブリ時代の代表作>

  • ハウルの動く城(制作業務)
  • ゲド戦記(宣伝)
  • 崖の上のポニョ(宣伝)
  • かぐや姫の物語(プロデューサー)
  • 思い出のマーニー(プロデューサー)

高畑勲監督作品『かぐや姫の物語』ではプロデューサーとして5年もの製作期間を乗り越えています。

2014年に鈴木敏夫プロデューサーが勇退を発表した際には後任プロデューサーとして『思い出のマーニー』も担当しています。

米林宏昌

スタジオジブリ出身のアニメーター・アニメ監督です。(1973年生まれ)

1996年にスタジオジブリに入社して以降、数々のスタジオジブリ作品に関与しています。

<ジブリ時代の主な代表作>

  • もののけ姫(動画)
  • ホーホケキョ となりの山田くん(動画)
  • 千と千尋の神隠し(原画)
  • ハウルの動く城(原画)
  • ゲド戦記(作画監督補)
  • 崖の上のポニョ(原画)
  • 借りぐらしのアリエッティ(監督)
  • コクリコ坂から(原画)
  • 風立ちぬ(原画)
  • 思い出のマーニー(監督・脚本)

スタジオジブリの作品を支え続けてきた人物ですね。

「アリエッティ」や「マーニー」では監督に抜擢されるなど、スタジオジブリの後継者の呼び声も高い監督です。

スタジオポノックの記念すべき第1作『メアリと魔女の花』の監督です。

百瀬義行

スタジオジブリ出身のアニメーター・アニメ監督です。(1953年生まれ)

西村プロデューサーや米林監督よりも宮崎駿監督に年齢は近い、ベテランアニメーターです。

<ジブリ時代の主な代表作>

  • 火垂るの墓(作画監督補)
  • おもひでぽろぽろ(場面設計・絵コンテ)
  • 紅の豚(原画)
  • 平成狸合戦ぽんぽこ(イメージビルディング・画面構成)
  • 耳をすませば(原画)
  • もののけ姫(CG制作)
  • ホーホケキョ となりの山田くん(絵コンテ・場面構成・演出)
  • 千と千尋の神隠し(原画)
  • ゲド戦記(原画)
  • かぐや姫の物語(特任シーン設計)

スタジオジブリにとって欠かせない、レジェンドアニメーターと言ってもいいでしょう。

スタジオジブリの誕生前から、『天才バカボン』『ルパン三世』等の名作にも参加しています。

2023年公開のスタジオポノック作品『屋根裏のラジャー』では監督を務めています。

山下明彦

スタジオジブリ出身のアニメーター・アニメ監督です。(1966年生まれ)

多くのジブリ作品で中核を担ってきたアニメーターであり、『風立ちぬ』でも最多となるカット数の原画を担当しました。

<ジブリ時代の主な代表作>

  • 千と千尋の神隠し(原画)
  • 猫の恩返し(作画監督補)
  • ハウルの動く城(作画監督)
  • ゲド戦記(作画演出)
  • 崖の上のポニョ(作画監督補)
  • 借りぐらしのアリエッティ(作画監督)
  • コクリコ坂から(作画監督)
  • 風立ちぬ(原画)
  • 思い出のマーニー(作画監督補)

スタジオポノックの短編アニメーション『ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-』において、『透明人間』の監督を務めています。

「ポノック」の意味は「深夜0時」

「ポノック」という名前は、クロアチア語で「深夜0時」を意味する(ponoć)に由来し、新しい一日のはじまりの意味を込めた。

スタジオポノック会社ホームページより

宮崎駿監督の引退宣言(その後撤回されてますが・・・笑)や、ジブリの制作部門解散を受けて、「新しい時代を作る」という意気込みが感じられるネーミングですね。

なお、「ジブリ」の由来はサハラ砂漠に吹く熱風を意味するイタリア語「GHIBLI」です。
(正しい発音は「ギブリ」ですが、宮崎駿監督の誤解で「ジブリ」となった)

日本のアニメーション界に熱風を起こそうという思いが込められています。

スタジオポノックとジブリの違い・関係性

スタジオポノックは「ジブリの血を引いた」スタジオではあるものの、ジブリとは異なる新設スタジオです。

「ジブリの血を引いた作品」を作るスタジオ

スタジオポノックは元ジブリメンバーが中心人物となっています。

『メアリと魔女の花』の制作発表会見の中では、西村プロデューサーは以下のように発言しています。

スタジオポノックで作品を作り出すクリエイターたちは、宮崎、高畑、鈴木の血を受け継いでいます。米林監督も20年間、3人と映画を作り、3人から学んで培ってきたジブリ人生の全てをこの1本に注ぎ込んでほしいと思っています

「メアリと魔女の花」製作発表会見 より

長年スタジオジブリで実力を磨いてきたメンバーが、スタジオジブリの血を受け継いで誕生したスタジオとわけです。

もちろん宮崎駿監督や鈴木敏夫プロデューサーとの関係も良好で、宮崎駿監督はスタジオポノックに激励に訪れたりもしています。

「ジブリの冠」を受け継がない新設スタジオ

ジブリの意思を受け継ぎ、手描きアニメーションにこだわったスタジオではあるものの、表向きはジブリとは無関係です。

完全に新しい制作会社として設立されており、ジブリやジブリ関係者からの出資も受けていません。

スタジオポノックの会社情報ページにも、関連企業として「スタジオジブリ」の名前は一切無いのです。

ジブリといえば莫大な資金を投入しての宣伝も特徴のひとつでしたが、スタジオポノックは限られた資金で小規模に立ち上がりました。

【関連】外部サイト:スタジオポノック会社情報

あえて「スタジオジブリ」とは別会社として立ち上がった理由について、西村プロデューサーは以下のように語っています。

ジブリは高畑監督と宮崎監督の映画を作るためのスタジオでした。その人たちが作らないと言ったら続けることはできない。僕自身、ジブリというブランドには興味はありません。ブランドではなく、そこに集う人とできる作品が大事なので。ただ、今まで築き上げてきた映画作りの志が消えてしまう……一本の映画で世界を変えうると信じる作り手たちの映画が作られなくなるのは嫌でした

BuzzFeed Japan インタビュー記事より

スタジオジブリの意思は継ぎながらも、ジブリとは異なる新たな時代を作るという思いが感じられます。

まさに「ポノック」の名前の由来(新しい一日のはじまり)のとおりですね。

『君たちはどう生きるか』では制作協力

宮崎駿監督が引退宣言を撤回し、『君たちはどう生きるか』を制作した際にはスタジオポノックも大いに協力しています。

個人名でも会社名でも『君たちはどう生きるか』にクレジット表記されており、スタジオジブリとスタジオポノックの良好な関係が分かりますね。

スタジオポノックの設立経緯

西村プロデューサーがスタジオポノック設立を決意したのは、『思い出のマーニー』完成後のことでした。

宮崎駿監督の引退宣言を受けて、スタジオジブリは体制維持が困難となり、制作部門の解散が発表されたのです。

この時の心境を西村プロデューサーは以下のように語っています。

宮崎、高畑、鈴木の3人の映画作りの考え方や姿勢をこの先誰が引き継ぐのか?という思いもありましたし、ジブリが一番と思う一方で製作部門解散という空しさもあり、新スタジオを作る決意をし、米林監督にも帰国後『ジブリの血を引いた作品を作ろう』と話しました

「メアリと魔女の花」製作発表会見 より

西村プロデューサーが『思い出のマーニー』の監督を務めた同世代の米林監督を誘ったことで、スタジオポノック設立に至ったのです。

スタジオポノックの歴代作品

スタジオポノックの歴代劇場作品は以下のとおりです。

  • メアリと魔女の花(2017年)
  • ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-(2018年)
  • 屋根裏のラジャー(2023年)

メアリと魔女の花(2017年)

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