当記事では書籍『誰も語らなかったジブリを語ろう』についてレビューします。
本の内容のネタバレを含みますので、ご留意のうえご覧ください。
- スタジオジブリから徒歩圏内の小金井市在住のジブリオタク
- 好きな場所は三鷹の森ジブリ美術館
- 最も好きな作品は「風の谷のナウシカ」
『誰も語らなかったジブリを語ろう』の内容
『誰も語らなかったジブリを語ろう』は映画監督である押井監督が、スタジオジブリを批評する内容になっています。
著者(押井守)のプロフィール
著者名 | 押井守 |
生年月日 | 1951年8月8日 |
職業 | アニメーション映画監督 |
主な監督作品 | うる星やつら 天使のたまご 機動警察パトレイバー GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 イノセンス スカイ・クロラ ガルムウォーズ |
押井監督はスタジオジブリとも親交の深いアニメーション映画監督です。
ジブリの鈴木敏夫氏とは特に親交が深く、共同で仕事をしたり、何度も対談も実施しています。
「宮崎駿とはしょっちゅう喧嘩していた」と押井監督は語っており、公の場で互いの悪口を言うことも多いです(笑)
それでもそれぞれの発言の奥には互いの作品へのリスペクトも感じられ、「戦友」とも呼べる仲なのではないでしょうか。
このような押井監督だからこそ語ることができる内容が、本書には収録されているというわけです。
本書に書かれている内容
『誰も語らなかったジブリを語ろう』の章立ては以下のとおりです。
- 第1章 矛盾を抱えた天才 宮崎駿
- 第2章 リアリズムの鬼 高畑勲
- 第3章 ジブリ第3の監督たち
- 第4章 小さな巨人 スタジオジブリ
押井監督が各監督・各作品別に批評、感想を語る形式で進みます。
ジブリに対する批判や悪口も多く、数多く出版されているジブリ本とは一線を画す印象です。
『誰も語らなかったジブリを語ろう』の感想
以下、私自身が『誰も語らなかったジブリを語ろう』を実際に読んだ感想です。
賛否両論ある内容で、読む人によって受け止め方は変わると思いますが、参考になれば嬉しいです。
押井ワールド全開の痛烈なジブリ批評
普段からジブリに対しては厳しい意見(悪口)を向ける押井監督ですが、やはり本書の内容も痛烈なジブリ批評でした。
一応、まえがきには以下のように記されてはいましたが、実際は悪口のオンパレードです(笑)
本書は一部の方々が期待しているであろう、スタジオジブリに対する悪口雑言、ツッコミ放題、言いたい放題を活字にして私憤を晴らすという意図で出版されたものではありません(まあ、一部にはそれも含みますが)
『誰も語らなかったジブリを語ろう』冒頭文より
高畑勲を「クソインテリ」、宮崎駿を「監督としては二流」と呼べるのは押井監督くらいではないでしょうか。
もちろん、こういった悪口も押井監督とジブリの関係性があってこそです。
実際に、『天空の城ラピュタ』を筆頭に褒める作品ははっきりと褒めます。
ただ、ボロクソに批判されている作品もありますので、気分を害するジブリファンも中にはいるかもしれません。
個人的には押井監督ならではの視点も多く勉強になりましたし、面白かったです。
スタジオジブリ作品について、新たな視点を得られる1冊だと感じました。
「ジブリの裏話本」ではない
『誰も語らなかったジブリを語ろう』というタイトルを見て、ジブリの裏話を期待した方も多いのではないでしょうか。
ジブリと親交の深い押井監督の著書ということもあり、私も裏話を期待していました。
ただ実際は、「他では聞けないジブリの裏話」といったものはほとんどありません。
どちらかと言うと「誰も言えなかったジブリの批判・悪口を語ろう」といった感じでしょうか(笑)
『誰も語らなかったジブリを語ろう』 まとめ
『誰も語らなかったジブリを語ろう』は普段とは異なる視点でジブリ作品を考えてみたい方におすすめです。
映画監督である押井監督だからこその視点が多く、新たな気付きを得られます。
(ただし、悪口・批判も山ほど掲載されているため、ジブリを崇拝する方はお気をつけください・・)